天安門車両炎上事件は本当に「テロ」なのか――

ウイグル人テロリストによる犯行と発表された、2013年10月28日の天安門車両炎上事件。しかし、かつては中国の政治経済協商会議(日本の参議院にあたる)のメンバーでもあったラビヤ・カディール氏は、今回の事件がテロではなく、中国共産党によるウイグル人弾圧に対して行われた決死の抗議活動であることを明らかにしました。ラビヤ氏自身、中国共産党の不当逮捕によって6年間投獄された経験があり、2人の息子は現在も不当逮捕され、娘たちも当局の監視下にあります。現在、亡命先のアメリカで世界ウイグル会議総裁を務めるラビヤ氏は、中国共産党による弾圧内容や経緯など、インタビュアー(幸福実現党・釈党首)の質問に答えました。

天然資源が豊富な東トルキスタンを中国共産党が武力占領

1949年、中国共産党は石油や天然ガス、レアメタルといった天然資源が豊富な東トルキスタンを武力占領し、中国の新疆(しんきょう)省と定めました。人種や宗教や文化の異なる膨大な人口を養わなければならない中国にとって、資源豊富なこの地は重要な地域だったのです。中国共産党が漢人の新疆入植を積極的に進める中で、ウイグル人への弾圧は激しさを増していきました。

ウイグルが受けた凄惨な暴力の数々

ラビヤ氏によると、中国政府は2013年4月から現在(インタビュー当時)までに、ウイグル人を30回も不当に虐殺したといいます。

ウルムチ大虐殺、同じ街に住むウイグル人を武器で襲った漢人暴徒

2009年7月5日のウルムチ大虐殺は、ウイグル人に対する人種差別が表面化した事件です。ウイグル人1,300人による平和的なデモに対し、軍や武装警察が発砲。その後、一般の漢人が手に様々な武器を持ってウイグル人を襲い、1,000人が死亡、5,000人が拘束されたのです。同じ街に住んでいたので知人や友人もいたはずですが、無残にも次々と殺していきました。

礼拝中に押し入り発砲、生き埋めも

若者が祈っているモスクに中国の警察が押し入り発砲したという事件もあったといいます。穴を掘り、死者だけでなくまだ生きている人も埋めてしまうという非情な虐殺が行われました。

経済・言語・情報の圧殺

また、武力・暴力による弾圧のほかに様々な方面での文化圧殺体制が敷かれています。例えば、多くの会社で漢人以外は採用しないことになっており、大学を卒業したウイグル人でさえ就職難に陥る仕組みの経済的弾圧。さらに出版の禁止、WEBサイトの閲覧禁止、宗教的弾圧も横行し、ウイグルの母国語も使えなくなりつつあります。そればかりか、多くの未婚女性が他省に強制連行される事態も起きています。このような状況にあって、ラビヤ氏は中国人そのものではなく、共産党についての強い警告を発しています。中国共産党が現状のままであれば中国にも安定はなく、漢人にとっても、そして世界にとっても脅威であると語りました。

ウイグルに敷かれている監視体制を現地取材

2013年12月15日に新疆ウイグル自治区・カシュガルで16人が死亡する事件が発生した直後、取材班は現地カシュガルに入りました。町には厳戒態勢が敷かれ、公安や武装警察などの姿が見えます。
近郊の村でインタビューを行いましたが、指定されたインタビュー相手は元公安警察の方でした。さらに、村の共産党書記長を名乗る人間がずっと同席・監視しながらの取材では、共産党礼賛のスピーチが延々と続くばかりでした。住民に聞き取り調査を試みるも、ここは治安がいい、ウイグルで起きている事件など知らないとの回答が続きました。
ウイグルの人たちが弾圧に口を閉ざす理由について、共産党によるウイグル弾圧に詳しいトゥール・ムハメットさんはこう言います。
「2000年代に入ってから、相互監視システムが作られました。10家族単位で1つのグループになって、お互い監視するというシステムです。そして、誰の家にどこからお客さんが来たとか、すべて細かく、その村に住んでいる警察に報告されるのです。東トルキスタンは全部が軍事管理されて、刑務所みたいな所です。その恐怖の“檻”を建てたのは、中国共産党です」

「信仰と愛」という打開策

中国共産党は、ウイグルの人々から信仰をも奪おうとしています。しかしラビヤ氏は、獄中にあって、神と対話したと言います。
「私が刑務所の中で死ぬと、誰もが考えていました。でも私は生きていた。私は刑務所の中でアッラーと対話して、『アッラーよ、私をここから出してください。民族のために何かできる力を、私に与えてください』と、ずっと祈っていました。そのときに願ったことが、今少しずつ実現していることに驚いています」

インタビュアーの釈党首は、「神とともにいたから強くあれた」と語ったラビヤ氏の信仰の姿に共感するとともに、激しい戦い奥にある“母の愛”を感じたと言います。「信仰」と「愛」で感化を与えられるということがこれからのリーダーに必要な資質であり、さまざまな民族対立を乗り越えるには、こうした普遍的な価値観を理解し、発信できる人が必要なのだと、インタビューの感想を語りました。

大川隆法 法話「救世の時は今」より

この地上において、いろいろな人々の意見や思想、信条、こういうものを無視したり、圧殺したりして、単なる一つの考え方で全部を押しつぶそうとするならば、そこにまた大きな大きな不幸が生まれてくるであろうと思うのです。人々は自由でなければなりません。なぜならば、あなた方はまた神の子だからです。神の子としての自由と尊さを保障されなければなりません。それが、人権なるものの根拠です。その思いにおいて創造をなすことができ、その念いにおいて世界を創り変えていくことができ、その念いにおいて歴史を未来に向けて建設していくことができる。これが人間が神の子であることの証明であるんです。

法話「救世の時は今」は幸福の科学の精舎・支部にて動画が公開されています。

すぐ隣の国で起きている人権弾圧は、決して他人事ではありません。日本は、自由と民主主義を守り、世界に広げる責任があるのではないでしょうか。