2014年1月14日午後1時、細川護煕(ほそかわ・もりひろ)元首相が、東京都知事選への立候補を表明しました。記者取材に同行した小泉純一郎元首相は「原発問題で共感できる」「ぜひ、支援したい」と断言。これについて2つの問題を、新宿都庁前からお伝えします。

問題点1:オリンピックの年に82歳になる人が出るのか

今、東京都政は2020年の東京オリンピックとその後に向け「どのように未来の種をまくか」「未来都市構想をするか」という重要な局面にあります。2020年には82歳になる細川候補が、政治の現場から遠ざかって久しいにもかかわらず舵取りに名乗り上げるというのは不安を覚えざるをえません。
加えて献金問題をきっかけに1年で東京都知事をやめた人の後に、やはり献金問題で9ヶ月で首相をやめた人が出てくるというのは、悪い冗談にも思えてしまいます。

問題点2: 都知事選の争点としてふさわしくない原発の話題

応援する小泉元首相も原発ゼロというところで共感していますが、原発は今回の選挙において全く必要のない争点です。

「原発ゼロ」の選択肢は必要ない

小泉元首相は記者取材で、この東京が原発ゼロでもやっていけると示すことが大事だと発言しました。ですが実際には今、原発が止まって節電が呼びかけられ、電力料金も上がっています。何の代替案もなく都民に我慢を要求することは、政治が国民にツケをまわしていることになります。

無責任なたとえ話の盲点

小泉さんは、「原発はトイレのないマンションだ」と例えました。しかし、そうであるならばトイレを作るのが政治判断です。原発をなくせばいいという発想は、マンション自体を壊せばいいということであり、無責任極まりないといわざるをえません。

エネルギーというテーマは地方自治の争点ではない

米軍基地の問題が争点となっていた沖縄名護市長選でも言えることですが、そもそも、エネルギーや国防という問題は、地方自治体が扱うべき問題ではありません。それを、実質的に住民投票といえる首長選挙で決めてしまうようなムードは、日本の国政にとってきわめて危険な考え方なのです。

これからも有権者のみなさんには、東京都知事選に注目していただきたいと思います。