中国の人権弾圧は最悪の状況

天安門事件から25年を迎え、世界各地で追悼式典が催される一方、北京天安門周辺では前例のない規模での厳戒態勢が敷かれました。前回お伝えしたとおり、多数の民主活動家が拘束されるなど、今中国の人権弾圧は最悪の状況を迎えています。

発禁本『中国のゴッドファーザー習近平』の著者である余傑(よけつ)氏は、ノーベル平和賞を受賞した劉暁波(りゅうぎょうは)氏とともに中国国内で共産党一党独裁を批判し続けるなかで、2010年12月9日に意識不明で緊急手術を施されるまでの拷問を受け、釈放後も1年間にわたって24時間の自宅監視をされました。

最近では、中国国内でも多くの家庭教会が破壊され、ウイグルやチベットでの宗教弾圧も強まっています。また、石油化学工場でのデモでは多くの人が武装警官によって射殺され、天安門事件以降最大の武力鎮圧事件だと言われています。

香港、台湾でも言論の自由が奪われる!?

余傑氏の著作を出版しようとした香港の出版社社長が懲役10年の判決を受けたように、中国本土だけでなく、今、香港、台湾でも言論の自由が奪われつつあります。

香港:行政長官は北京政府が選ぶ

親中派が多数を占める香港において香港民主化を訴え続けた民主党の現党首エミリー・ラウ氏と初代党首マーティン・リー氏に、幸福実現党党首釈量子氏がインタビューしました。
1997年返還後、一国二制度が敷かれている香港。この制度のもとでは中国本土とは異なり、一定の自由が認められています。

ところが、現在の香港行政長官、梁振英(りょうしんえい)氏を選んだのは北京政府。このため重要な決定はすべて北京政府の代理人が決めているといった事態が起き、現在、香港の政府は存在していないも同然だと言います。
また、その行政長官就任以来、香港でメディア関係者が襲われる事件が増え、10件以上にものぼるとのことです。

巨大なマーケットを持つ中国に対し、北京政府の顔色をうかがう香港の経営者たち。それに伴い、ジャーナリストたちにも自主検閲が求められている現状が明らかになりました。香港には中国本土のような政府による検閲はないものの、マスコミ各社のオーナーや編集長はジャーナリストに「これを書け」「これは書くな」と命じています。

北京政府は、民主的な価値観が支配の邪魔になるとして怖れ、香港の自由を破壊しようとしていると、マーティン・リー氏は話します。

台湾:民主運動家の起用に反対

中国に気兼ねする事態は台湾でも起こっていると、民主活動家の王丹(おうたん)氏は話します。王丹氏自身、台湾の大学教授として雇われる際に、学校内の審査で中国との関係悪化を怖れた何人かの委員に強く反対されたと言います。
台湾有数の財界人(郭台銘氏)が民主化運動を批判した件も、中国に多くの工場を持つ資本家として、中国共産党に気兼ねしている背景があるそうです。

自由を守ろうと立ち上がる民衆たち

香港:15歳の少年が反対の声を上げる

香港では、梁振英行政長官が中国共産党一党独裁を称賛する中国式の「愛国教育」を全学校に導入することを決定した際、15歳の少年が反対の声を上げました。現在、高校生のジョシュア・ウォン氏は、「愛国教育は共産主義による洗脳を行っているので反対です」として、インタビューに答えました。
「香港は中国で唯一、天安門事件での犠牲者を追悼することができ、言論の自由を求めることができる場所です。私たち香港人は言論の自由が奪われることを怖れています。皆様にもっと香港が直面している問題に注目してもらいたい。香港が普通選挙になるか否かを決めるには『民衆の力』が大事です」
ジョシュア・ウォン氏による反対デモの参加者は9万人に発展し、愛国教育は事実上撤回されました。

台湾:大学生たちが立法院を占拠

また、台湾でも今年4月、大学生が立法院を占拠した「ひまわり学運」を機に、台湾全土に親中政策への反対運動が広がりました。
この運動の意義について王丹氏は「今回の台湾の学生運動は台中関係において大きな打撃を与えました。中国共産党は台湾には国民党と民進党の2つの力しかないと思っていましたが、今回のひまわり学運がそれは違うと教えてくれました。台湾の国民の力は大きく、政党の力を超えています。この事実は中国共産党にとって予想外であり、今後の対台湾政策など、どのように対応していくか観察していきたいです」と語りました。

中国の民主化、人権状況の改善のために今こそ行動すべき

自分の思っていることを自由に話すこと、自分たちの未来を自分たちの選択で決めること、全部当たり前のことです。しかし、その当たり前のことを許さない、それが全体主義の怖さなのです。
天安門事件に関する報道で、日本のマスコミ各社は、中国での人権弾圧がひどくなっているという状況を報じました。しかし、共産党の一党独裁が終わらないかぎり中国は何一つ変わることはないという事実は、残念ながら報道されませんでした。日本もアメリカも目先の利益に惑わされることなく中国の民主化、人権状況の改善のために今こそ行動すべきです。

大川隆法「愛が時代を動かす」より

私は最近は「全体主義とはなにか」ということについていろいろと話していますが、基本的に全体主義とは「神仏の人々を愛する心を無視した国家の暴走だ」と考えています。全体主義国家では「この世がすべて」というなかで、この世における繁栄あるいは権力の行使やその実現、もちろん暴力の使用、人々の粛清、収容所への収容、あるいは邪魔者はとにかく黙らせ消していくということが行われやすいところがあります。ですからそのなかで「信教の自由」が本当にあるのかどうか、また「言論・出版の自由」「表現の自由」等が守られているのかどうか、あるいは人々の幸福のために自由の行使が許されているのかどうか、このあたりを点検していかねばならないと思うのです。

法話「愛が時代を動かす」は幸福の科学の精舎・支部にて動画が公開されています。