教科書採択に関する法律違反

独自の教科書を違法に使用している沖縄県竹富町が、教科書採択地区協議会から離脱を求めている問題で、竹富町の属する八重山地区の教科書問題に詳しいお二人の方を取材しました。日本においては、採択地区協議会が教科書を選び、それに則るかたちで同一の採択地区内では同一の教科書を採択すると無償措置法において定められています。しかし、竹富町はこれを拒否し、独自に教科書を採択して使用しています。不服があれば申し立てを正式にすることになっていますが、竹富町はこれも実行していないとのこと。学校という子供たちがルールを学ぶ現場で、大人たちのほうが規則を無視する事態となっています。

地区離脱の要因となった教科書

竹富町は、拒否している教科書について、「天皇の記述が多い」「両親のもとに生まれ育ったという表現は片親の子に配慮を欠いている」等、その都度いろいろな拒否理由をつけているそうです。「八重山日報」編集長によると、竹富町は「保守的な教科書は絶対に反対」、という結論ありきで動いているように思わざるを得ないとのことです。なお、竹富町が独自に採択している教科書には、尖閣諸島が中国の領土だと受け取れる書き方になっているという特徴があります。

協議会において正当に主張を

竹富町は教育委員会の自由を唱え、地方教育行政法の法解釈をねじまげて採択権限を主張していますが、その採択権は、本来、無償措置法の趣旨に則って行使されるものです。また、竹富町は文部科学省からの是正要求にも応じず、地方自治法にも違反しています。地区離脱というかたちでなく、次回の教科書の協議会において正当に主張をするなど、法律に従った行動が求められています。

背景に浮かぶ支援者

日本のもっとも国境に近い地区で今回起きた問題。「八重山日報」編集長は竹富町教育委員会の背後に中国の存在を指摘します。中国メディアが竹富町教育委員会に取材し好意的に取り上げ、竹富町教育委員会がそれを得意げに語っているとのこと。中国では、今回の竹富町の八重山地区離脱を喜ぶ報道もなされているようです。本問題は国際政治の観点から考えても、決して見過ごしてはならない問題であると言えます。