前回に引き続き、「イスラムから愛されるニッポン」をテーマでお送りします。今回は中東圏で愛されている日本の技術力について、城取氏に話を聞きました。

イスラムから愛されるテクノロジー1:自動車

中東で人気を集めている日本の技術はさまざまですが、なんといっても一番は自動車。城取氏は自身の体験として、エジプトでタクシーを利用したときなどに、日本人とわかったらまず日本車を褒められることが多かったと言います。9割以上は日本車が褒められる。「日本人は日本車」というイメージがあるようです。エジプトには韓国車や中国車がかなり多く、日本車というのはわずかなのですが、やはり品質の高さに定評があるようです。「韓国車はまあまあかな」「中国車は本当によくない」という声があるなか、日本車は「クワイス(エジプトの言葉で「良い」の意味)」と繰り返し言われたそうです。将来的には日本車が欲しい、買ったら手入れをしてずっと使うという方が非常に多いといいます。

イスラムから愛されるテクノロジー2:ウォシュレット

次に挙げられるのが、トイレのウォシュレット。中東、イスラム圏で、いま非常に熱い視線を浴びています。ムハンマドの言行録の中には、「清潔さ」というものが信仰の半分だという言葉があり、彼らはトイレで紙を使わず、ホースの水で洗います。また、インドネシア(イスラム教国)は、日本のTOTOが1980年くらいから進出し、中国に次いで世界では2番目の売上げ規模を誇っています。中東ではそれほど広く庶民にという形ではないんですが、富裕層を中心に非常に広がっていて、TOTOの事務所はドバイにもあります。

イスラムから愛されるテクノロジー3:地下鉄の再開発、電力網の効率化

個人レベルを超えて、産業レベルのところでいいますと、日本の技術力はあらゆる面で評価されています。今回、1月に安倍首相が中東のエジプトやヨルダンを訪問しました。人質事件があって非常に後味の悪いものになりましたが、エジプトへの経済支援の内容を見てみると、非常にカイロ市民の不満にミートするいい支援だったとのこと。具体的には、カイロの地下鉄を延伸する再開発、そして電力網の効率化です。カイロは交通インフラが非常に悪く、時間帯によっては大渋滞を起こして皆がクラクションを鳴らすほど。夏場は毎日1時間ぐらい停電したりということが、カイロ市民の不満の種になっています。そのため、この日本の支援というのはすごく喜ばれるでしょう。

イスラムから愛されるテクノロジー4:エネルギー技術

さらにエネルギー技術。近年、トルコのシノップに日本の原発ができることになりましたが、UAE(アラブ首長国連邦)やサウジアラビアでも原発推進が広がっています。「なぜ産油国に原発の必要があるのか」と、日本人の感覚では疑問に思われるかもしれませんが、彼らにとっては石油というのは売り物。外貨獲得の手段であって、自分たちでは使いたくないのです。他にも、太陽光発電といった再生可能エネルギーにも注目しているんですが、やはり一番は日本の原発技術。世界一の原発技術に中東諸国も注目しているのです。

技術を育てるような形での共存、相互繁栄が望ましい

アフリカや中東には今、中国が国をあげて資源外交をしたり、インフラを敷設したりといった進出をしています。現地は「中国人だらけ」と言うほどで、城取氏が道を歩いていると、まず中国人かと聞かれるとのこと。大規模に移民が中国から移っています。これについては今、さまざまな問題が起きていて、自分本位の開発などが非常に現地から嫌われている状況とのこと。日本としては、彼らの技術を育てるような形で、うまく共存し、相互に繁栄していくような形でやっていくのが良いのではないかと城取氏は話します。