敗戦後の1946年2月から始まった東京裁判。この裁判でいわゆる「南京事件」は、ナチスドイツのホロコースト、ユダヤ人虐殺と並ぶ市民の大虐殺として断罪されます。

仕立て上げられた”大虐殺”

この理由について立命館大学特別任用教授の北村稔氏は、「日本が住民虐殺をやったという証拠はどこにもないことに困った連合国が、ナチスドイツのホロコーストに似た事件を求め、当時の南京の混乱を大虐殺に仕立て上げてしまった」と説明しています。中国国民党の宣伝工作によって生み出されたこの”南京事件”は、連合国によって東京裁判で日本を裁くために利用され、30万人の大虐殺へと変貌していきました。

同程度の犠牲者数で原爆の責任を相殺

この大虐殺が作り出された大きな要因、それが原爆です。近現代史研究家の水間政憲氏によると、数十万の罪のない市民が亡くなるのだから、原爆投下は判定するまでもなく戦時国際法違反であり、これが東京裁判が始まる前からアメリカのトラウマになっていたとのこと。この責任を相殺するため、日本が「南京大虐殺」を行ったという話が作られたのです。同氏は広島・長崎の犠牲者数と、南京大虐殺の犠牲者数が非常に近い点を指摘します。「南京で日本軍はこんなヒドイことをやったんだから、原爆がヒドイと言う権利はない』と言えるように、アメリカ側が事件を利用したということです。

東京裁判における”アメリカの保身”

また、原爆展中止についての著作があるジャーナリストのフィリップ・ノビーレ氏も、アメリカが東京裁判で南京事件を持ち出した理由が原爆の罪を相殺するためだと考える人がいる点について、納得しています。加えて、アメリカの行った都市空爆が非難されることを怖れ、東京裁判においては都市空襲で裁かれた将校が一人もいなかったことを指摘しました。さらに、「アメリカは自分たちを守るために平気で敵国の罪を利用してあざ笑っていたのだ」と語ってくれたのです。