「国連に『日本が悪い』と訴えているのは日本人?」
昨年7月、国連の女子差別撤廃委員会に参加し、
慰安婦の真実を発言した「なでしこアクション」代表山本優美子氏。
「世界に正しい世界認識を発信する日本人」最終回は、
山本氏が明かす「慰安問題の元凶」と
山本氏、及川幸久氏(幸福実現党外務局長)から
日本人へのメッセージをお伝えする。

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国連女子差別撤廃委員会での発言

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里村 去年2015年7月27日、国連の女子差別撤廃委員会で、山本さんは慰安婦問題について発言されましたね。

山本 女子差別撤廃委員会というのは、慰安婦問題だけではなく、
女子の差別、人権問題について検討される会議をやっているところなんです。
私が発言したのは、要は慰安婦問題というのは、海外で慰安婦像などが建ったりして、
結果的に日本人への人権侵害につながっていると。
これはもう人権問題じゃなくて、「政治問題化」しているんですよと。
だから、こういうのをここで採り上げるのは、もうやめて、本当の女性の人権侵害問題が
いろいろあるので、そちらのほうに向けて努力しましょうよ、ということを言いました。
同席していた杉田水脈元衆議院議員も発言されて、「『強制連行』という軍隊が力づくで
女性を動員して、性奴隷にしたという証拠はない。ホロコーストでもない。
まったく事実無根ですよ」ということを、杉田先生も発言されました。
我々の前には日弁連系の団体も発言していたんですよ。
「日本政府はまだ謝っていない」「賠償しなきゃいけない」「教科書にも載せないのは
とんでもない」という発言を、別の日本女性がしていたんです。

里村 日弁連系だから、当然そうですね。

山本 そのあとに我々がそういうことを言ったんです。
そうしたら、そこの委員の方が「『強制連行じゃない』という話は、いま初めて聞きました。
どういう証拠があるんですか」と質問してきたんです。
その質問に対して、たまたまトニー・マラーノさん、テキサス親父さんが一緒に来ていたので、
テキサス親父さんがすかさず、「ミートキーナの米軍が韓国人慰安婦に尋問した尋問書に
こういうことが書いてありますよ。慰安婦としてとてもいい生活をしていたし、
給料もよかったし、ちゃんと休暇もあった。こういう証拠がありますよ」ということを、
その場ですかさず返答してくれたんです。
そういう委員会のあとに、委員会から日本政府にあらためて質問が送られるんです。
その質問事項には、今までは「なぜまだ謝らないのですか」「なぜ教科書から削除したんですか」
ということばかり書いてあったのですが、今回は「強制性がなかったという話もありますが、
強制があったのか、なかったのか、日本政府はこれについて意見を言いなさい」
という質問が委員会から出たんです。

里村 ほう。

山本 だから、これについて、日本政府は答えなければいけない。
時期的に、もう答えて送っているはずなんですね。
その返答に何と書いてあるかなんですけれども、今回、日韓合意が12月28日にあり、
その前にたぶん返答の書類は出しているんです。
まだ公開されていませんが。また、この女子差別撤廃委員会は、今年の2月の中頃に
ジュネーブであるんですけれども、そこでまたこれについて話し合われるんです。
もちろん、慰安婦問題ではなくて、女性の人権問題に関するいろいろなことが
話し合われるんですね。
例えば、再婚期間が男子と女子で違うのはおかしいとか、夫婦は別姓でもいいじゃないかとか。
慰安婦問題もいろいろな女性問題の中の一つとして話し合われるんですよ。
そこで日本政府が何と言うか。そこに行く、いわゆる左派の日弁連の方々の団体は、
そこで何を言うか。どういうロビイ活動をするか。委員会は何を言うか、ということが、
また2月に行われます。それに、私は非常に注目したほうがいいと思うんですね。
日韓合意のあとなので、なおさら。

里村 うーん。

国連人権委員会で日本を非難しているのは「反日」日本人

山本 その人権委員会において、日本を批判しているのは誰かというと、
日本人なんです。日本のNGOなんですよ。韓国のNGOでもないんです。
日本のNGOが長年、人権委員会に通い、レポートを出し、日本政府はまだ謝らないんだ、
早く解決を迫れと言っているんです。
そういう場があったからこそ、国連がまた日本政府に「なんで慰安婦問題を解決していないんだ」
と勧告するんです。
結局、実態は、日本の左派の団体が言いたいことを、国連のフィルターを通して
日本に帰ってきているだけなんですね。

里村 マッチポンプですね。

山本わらい

山本 そのマッチポンプを、ちょっと私たちが横からこうやって入って、ちょっと違うでしょと
言ったのが、去年の7月。そういう場が、彼らにはあったんです。
うまいルートが日本に。
国連様がおっしゃったら、きっとすごい調査をしたんだろうと思うじゃないですか。

里村 日本のマスコミは、全部がとは言いませんが、国連というとどんな正義の味方か、
正しいかみたいに、国連信仰がすごく強いから、国連で出たというだけで…。

山本 100人ぐらいでよく調査した末にこうなったように勘違いしますけど、全然違う。

里村 例えば、去年も国連で発言した日本人の中に、沖縄県の翁長知事がいました。
あの中では、沖縄県民の人権がないがしろにされていると。
そっちのほうは、新聞が大々的に報道するんです。
ところが、山本さんたちが行ったことは、まず産経新聞以外は、なかなか報道しない。
そうすると、報道されないことは、ないことになっちゃうんです。
この黙殺権力ってすごく怖いものがあって。そうすると、それを知らない一般の日本人は
世界中から日本人は沖縄の問題、慰安婦の問題、南京大虐殺だって、
すべて批判され続けていると、やっぱり悪い国なんだと思ってしまうんですよ。

山本 少なくとも人権委員会の委員の方たちは素人なんですよ。日本について。
いろいろな国についての大量の書類を抱えているので、日本の女性の人権問題の
その中の一つの慰安婦問題なんて、どう考えても知っているはずがないんですよ。
だから、日本のNGOからの意見を非常に参考にするんです。
その参考にするのが、日弁連の方たちの作った書類だったので、それは当然、
日本政府が謝らないのはとんでもないんだなと思うわけです。
ですから、まず国連信仰は抑えたほうがいい。
我々も意見を送れるんですから、我々からも意見を送って、「慰安婦が強制連行された
と言っている『クマラスワミ報告』っておかしいんじゃないですか」とか、
「『軍の関与』と言ってますけど、具体的な『軍の関与』の内容はこれですよ」とか、
いろいろな意見を届けていけばいいんですよ。

里村 国連は、昔からそういう反日的な日本人の団体がたくさん行っていたわけですか。

及川 国連にはニューヨークとジュネーブと両方ありますが、ニューヨークの本部は
軍事的な安全保障のほうをやっています。
ジュネーブのほうは、こういう人権が中心なんですね。
人権問題となると、どうしても左翼的な、いわゆるリベラルの巣窟になるので。

里村 もともと相性がいいわけですね。

及川 いいんです。

里村 発表の機会が与えられやすいし。そういう図式ができてきたんですね。
そういう部分って、本当に私はつい最近まで知りませんでした。
てっきり、韓国や中国がずっと一方的に、と。

山本 日本人が、「日本が悪い」と言いに行ってるんです。

及川 歴史的には、いまの国連のジュネーブのビルというのは戦前の国際連盟の時のビルですよ。
あの国際連盟をリードしたのは、本当は戦前の日本ですよね。
だから本当は日本人にとって重要な歴史的な場所なのに、
今や、日本の日弁連さんたち、左翼の巣窟になっちゃっている。

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里村 国際連盟脱退みたいなことしか、我々は教科書に載っていないから、
まだ世界で独立国が60カ国ぐらいの参加国の中で、国際連盟で唯一の有色人種の国で、
そういうふうな宗主国を持たない完全な独立国というのは、日本ぐらいだった時代ですね。
もちろん、中華民国も参加していましたが、全中国の代表でも何でもない時代ですから。

及川 人種差別撤廃を、世界で初めて日本が国際社会に訴えた頃の国際連盟の中心ですからね。

里村 女子差別撤廃委員会だって、もともと日本人が人種差別撤廃と言った、
この言葉からスタートするわけです。2月は、またジュネーブに行かれるんですか?

山本 行きたいですね。行って、現場をまた見てみたい。日本政府がどう答えるか。

「国連に意見を送ろう!会議に参加しよう!」

里村 なでしこアクションさんのサイトでは、国連人権委員会に行こうということが。

山本 国連人権委員会に行くには、外務省から何かもらわなきゃいけないのかと思うでしょう。
違うんですよ。国連の女子差別撤廃委員会のサイトを見るとオープンになっているんです。
こうやったら参加できますよという英文の参加要項がダウンロードできるようになっているんです。
なでしこアクションのサイトからもダウンロードできるようになっていますので、
これをよく読むと参加の仕方が書いてあるんですね。
犯罪歴があるとだめかもしれませんが、普通の人は参加できるんですよ。だから私も参加してきたわけで。
これがジェネラルパブリック。一般の方の参加要項、これはNGOの参加要項が書いてあります。
こういうのをちゃんと読んで、この通りにやれば。国連のサイトでこのページを探すのは、結構難しいですよ。

及川 特に人権理事会は、本当にわからないですね。すごく複雑なんです。
たぶん英語がネイティブの人でもわからないと思う。それをものすごくわかりやすく
説明されているので、なでしこアクションのホームページが一番早いですね。

里村 これからの国際社会はバラ色に描かれていいと思うんです。ただ、落とし穴として、
いろいろな思惑が飛び交って、闘いあっている社会だということを知らないと。

山本 単に正論だけ一生懸命、「日本は正しい。間違っていなかった」と
ブツブツ言っても届かないので、つまり言う場がちゃんとあるのでね。

里村 慰安婦問題もそうですし、去年はユネスコの世界記憶遺産で、
南京大虐殺の登録があったし、言いたいことはたくさんありますね。

及川 その通りですね。それを、やはり今日我々が出させていただいた意義というのも、
別に我々は国会議員でもないし、ましてや大臣でも総理大臣でもないわけですよ。
だけど、一市民として、日本国民として、国際社会で言おうと思ったらできるということです。

里村 やはり総理大臣になったら、突然言えなくなるというのはよくないと思う。

山本 いろいろなことがあると思いますね。

里村 もちろんいきなりぶつかればいいというわけではないけれども、とにかく日本人の
「言わぬが花」みたいな部分は、この国際時代には改めていかなければいけないと思います。

及川 そうですね。

及川「国民一人ひとりが自分の責任の自覚を」

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里村 今日はいろいろなお話をお伺いして、私自身も目から鱗が落ちる思いがします。
最後に、例えばこれからの日本人、これは政治家でもいいです。あるいは私たち庶民でもいい。
日本人に求められることを中心に、最後にメッセージをいただきたいと思います。

及川 世界に意見を発信するときに必要なものは、一つは私は責任感だと思うんです。
例えばこういう慰安婦の問題でも、日本の政府がもっとちゃんと言うべきだとか、
総理大臣が言うべきだとか、外務省がいけないんだとか、いろいろな言い方はできると思うんです。
だけど、やはり日本という国は国民主権なので、主権者は私たちですから、
私たち一人ひとりにやはり究極には責任がある。この状態を放ってきた。
これは、日本人にとってもいい機会だと思うんですよ。
私にとってもいい機会だと思ったので、ここはやはりなでしこアクションの「アクション」ですね。
みんながアクションを取るべき時じゃないかなと。
政治家をあてにしていても、しょうがないと思うんです。
里村 その責任というのは、私たちの世代というよりも次の世代、
さらに次の次の世代に対する責任でもあるわけですね。

及川 そのとおりです。

里村 その時にやっていなかったら、安倍さんの責任じゃなくて、
私たち一人ひとりに責任があるということですね。

及川 その責任感を日本人一人ひとりが持って立ち上がって、
できることをやろうよと。
国連だって、行って意見を言おうと思ったら言えるんだと。
少なくとも文書ぐらいは出せるんだというのを、今こうやって示してくれているので。
里村 2016年は、日本人のアクション元年にしていこうというお話ですね。

山本「一人ひとりができることをやりましょう」

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山本 本当に気が合いますね。同じことを先に言われてしまいました(笑)。

及川 同じ大学出身なんですよ。

里村 学生時代は、知り合いでも何でもなかったんですか。

及川 ないですよ。ほぼ同じ時期にいたみたいで。四谷のほうにある大学ですね。

里村 では、山本さん、よろしくお願いいたします。

山本 あいつが悪い、こいつが悪い、外務省が悪い、安倍には残念、
がっかりといってもしょうがない。
やはりそれぞれ、一人ひとりができることをやりましょう。
英語が得意な方は国連に意見を送りましょう。もしヨーロッパやスイスの近くに
住んでいる方がいたら、行ってみましょう。
簡単なところではメールとか署名とか、なでしこアクションのサイトで紹介しますから、
簡単なこと一つでいいからやってみましょう。アクションしましょう。

里村 責任感を持ってアクションを起こすためにも、一人ひとりが自分の価値観、
あるいは正義に関する考え方をしっかりと持たなければならないと思います。
これからも私たちは行動を起こすためにも、しっかりとそういう考えを
一人ひとりが持つことが大事かと思います。
皆様の考えをまとめるためにも、今日、お二方からいただいた話が
本当に参考になれば幸いだと思います。
本日はありがとうございました。

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