少年少女時代の多感な時期に受けた「いじめ」は心に深い傷を残す。
不登校、PTSD、リストカット、自殺・・・。
「そんな体験をする子供たちを一人でもなくしたい」
「いじめを根絶したい」
そのような思いから、THE FACTでは
シリーズでいじめ事例を紹介しながら
いじめ解決のヒントをお伝えする。

こちらもお読みください

いじめ解決率9割!「いじめから子供を守ろうネットワーク」とは
いじめ事件ファイル①「女子中学生集団リンチ事件」

いじめ解決率9割の「いじめから子供を守ろうネットワーク」

2007年の設立以来、
5000件を超えるいじめ相談の9割を解決に導いた
「いじめから子供を守ろうネットワーク」。
http://mamoro.org/

これから紹介するいじめ事件は、
「いじめから子供を守ろうネットワーク」が
実際に解決に導いた事例である。

HP

いじめの内容(Eさんのケース)

時期:小学校3年生
場所:学校内
内容:教師から土下座を強要される
加害者:教師1名(50代・女性)



Eさんは小学校3年生の時に担任の教師からいじめを受けた。


きっかけは、些細なことだった。

ある日の週末、同じクラスの友達が風邪で学校を欠席。
その友達にプリントなどのお知らせを持って行ってくれる子はいないかと言われ、
Eさんが買って出た。
しかし、Eさんはその友達に届け物を届けることをうっかり忘れてしまい、
週明けにテストがあることを伝えていなかった。

週が開けて、その友達は登校してきたが、
テストがあることを知らされていなかったため、
テスト勉強をしてきていなかった。


Eさんはそのことに気が付き、すぐさまその友達に謝罪をした。
友達にも理解してもらえたという。


しかし、事態をおかしな方向へ持って行ったのは事もあろうに担任の教師だった。


事がすでに収まっていた昼休み、
担任がEさんのところにやってきて話を蒸し返した。


そしてその場でEさんに土下座をして謝罪をするよう要求したのだ。


昼休み中だったが、教室には10数人の児童が残っていたという。
Eさんはその場で土下座をした。

いじめを認識してからの保護者・学校・加害者側の動き

Eさんは帰宅後、その日にあったことを母親に話した。
Eさんはまだ小学校3年生だったため、
何が起きているのかをあまり理解していなかった様子だったという。


しかし、母親からしてみれば明らかないじめであり、
教育者として土下座を児童に強要するなどあってはならないことであった。
これはある意味で、いじめの方法を児童に教えているようなものだった。


Eさんはあまり傷ついた様子でもなかったが、
母親はEさんに対し、「土下座は自分からやることはあっても、
人が強要していいものであったり、強要されたりするものではない」ということを教えた。



母親は「いじめから子供を守ろうネットワーク」の存在を以前から知っていたため、
相談を持ち込んだ。
「お母さんがしっかりと戦うべきだ」とのアドバイスを受け、
この問題に立ち向かうことを決意。

すぐさま校長に電話連絡を取り、
面会したいと申し入れた。

話を有耶無耶にされてはいけないので、
あったことをすべて書面にまとめて持参した。

これは「いじめから子供を守ろうネットワーク」のいじめ解決プロセスの一つで、
自分がパニックになって何を話せばいいか分からなくなったり、
学校側に無かった事にされることを防ぐために有効な手段だ。



母親が校長に面会に行ったことで、校内でも話題になった。
同席した担任の教師は、母親が何を聞いてもただ黙って泣くばかり。
母親としては、責めているつもりはなく、
事実確認のために話をしているだけであったが、
担任は「申し訳ございません」とただ繰り返した。

結局、担任が子どもたちに対して謝罪をするということでその日は話がついた。


後日、ホームルームが開かれた。

校長先生とEさんの母親も同席した。

しかし、担任の口から出た言葉は、

「先生はEさんに対してひどいことをしてしまいました。ごめんなさい。」

というもの。
事情を知らない児童に対しての説明もなく、
ただただ泣いている担任にクラスは唖然とした。


同席した校長も何も言わない。


呆気にとられたEさんの母親は、
なんの説明もしない担任や校長に変わって教室の前に立ち、事情を説明した。

この状況では、何も知らない人から見れば
まるでEさんの母親が担任をいじめているような構造だった。

担任が謝るべきは、「Eさんに対してひどいことをした」ことではない。
子どもたちに、「他人に対して土下座をして謝らせるという
ヤクザまがいの方法を教育の場で教えた」ということだ。

小学生の児童からすれば、それが当然と思い込んでしまう子もいたかもしれない。

このような不適切な教育が義務教育の場で行われたことに対して、
その軽率な行為を詫びるべきであった。

大の大人が、小学生の前で泣けば解決するような問題でもない。

Eさんの母親は担任の発言を聞いて、
そう思ったという。

マスコミの反応

こういった学校側の対応に疑問をいだいたEさんの母親は、
マスコミのホームページから一連のエピソードを投書した。

すると、夜中の1時頃の投書にも関わらず、
すぐに電話がかかってきた。
そして翌日の朝刊には、それが記事になったのだ。

それから、あっという間に他の新聞社も押しかけてくるようになり、
マスコミは学校側にも押し寄せ大問題になった。

そこで学校側は説明会を開いた。

Eさんの母親は「いじめから子供を守ろうネットワーク」のスタッフとともに説明会に参加。

クラスの殆どの保護者が説明会に参加したが、
Eさん母親の味方になる人は殆どおらず、
中立的な立場を取る人は2人程度。
大半の保護者は泣いている先生を擁護した。


ネットニュースにもなったこの事件。
ニュースサイトでは記事を読んだ人から400件以上の意見が書き込まれた。

Yahoo

Yahoo!ニュースに掲載された記事


その書き込みは、説明会のときと異なり、
Eさんの母親を支持するもの。
8~9割が、「担任の先生をやめさせるべきだ」、というものであった。

結局、次の年には担任は担当を外され、更に翌年には転勤になった。

今回の事件解決のポイント

まずは母親が「戦う」と決意したこと。
そしてマスコミなどを利用して「広く事件を周知させたこと」
の2点。
これは「いじめから子供を守ろうネットワーク」のいじめ解決法の中でも、
重要なポイントであるという。

いじめに悩んでおられる保護者の皆様は、是非、Eさんのケースを参考にしていただきたい。



電話取材:2016年1月19日

解決率9割のいじめ解決法

「いじめから子供を守ろうネットワーク」が独自に開発したいじめ解決法は
7つのプロセスからなる。

解決法

1.いじめの兆候を発見する

いじめ解決の第一歩は、
親が子供のいじめの兆候を発見することから始まる。
「家に帰ってくるなり部屋に閉じこもって泣いている」、
「朝、頭が痛いと言って学校をよく休む」という状況から調べたら、
「いじめられている」ことがわかったという事例もあったという。
こうした兆候を見逃さないことが、
最悪の事態を防ぐことにもなるのだ。

2.「私が守る」

いじめの兆候を発見したら、
次に親として考えなければならないのは、「私が守る」と決心すること。
「わたしなんかが校長先生に、こんなにいじめられてますって言っていいんですか」という保護者も多いが、
まず子供を守るためには親としては、なりふり構わないっていう決意をする必要がある。
井澤氏によると、
子供に親としての姿勢を見せてあげないと、子供が今度親を信用しなくなるのだという。
そういう意味でも、まずはこの決意、決心ということが必要なのだ。

3.いじめの被害事実を記録する

次に、具体的に学校に対していじめを辞めさせてもらう手段として、
どういったことがあったのかを明確にする、いじめの被害事実を記録する。
「いじめから子供を守ろうネットワーク」では、近年
学校にICレコーダーを持っていって録音することを推奨している。

4.いじめの事実を訴え、担任に相談

意識が高い教師であれば、この段階で大体解決するが、
中には、「それはいじめではありません」とか、
「私はいじめを見ておりませんので」という教師も多いという。
この、担任の段階で埒が明かない場合、
次に、校長に相談することになる。

5.校長を交えて相談

担任に相談しても解決しない場合、校長に相談するのであるが、
井澤氏の経験、担任がいじめを認めない場合は、大抵の場合、校長も認めないケースが多いという。
その場合、教育委員会や警察、マスコミなどの外部機関に訴えるという方法を勧める場合もある。

6.加害者に謝罪させる

大人が思っているよりも、謝罪には大きな効果があると井澤氏は言う。
実際、いじめられている子が、被害者の子が謝ってくれたことで、
一年間不登校だった子が、次の日から学校にいけるようになったというケースもあったという。

7.学校に再発防止策を作成してもらう

最後に、謝罪させるだけでなく、このようないじめが二度と起こらないよう、
学校側に再発防止策を作成してもらうことが重要である。

この一連のプロセスによって、
「いじめから子供を守ろうネットワーク」は
9割のいじめを解決してきたのである。

いじめにお悩みの方は是非ご相談を

現在、いじめにお悩みのお子さん、保護者の方は、
是非、「いじめから子供を守ろうネットワーク」の相談窓口にご連絡ください。

電話 03-5719-2170
メール kodomo@mamoro.org(東京事務局)
HP http://mamoro.org/