今年一月、台湾では蔡英文総統が再選を決め、歴史的な転換点を迎えていました。

台湾では日増しに「中国との決別」を求める声が高まっており
新型コロナウイルスの蔓延も「脱中国」を図ることで最小限の抑え込みに
成功していたのです。

総統選後の台湾で今、なにが起きているのか。

現地で立法委員(日本の国会議員)、地方自治体首長、
人気テレビコメンテーター、政府系シンクタンク秘書長にインタビューを行い、
大きく変わりゆく台湾に迫りました。

里村さん冒頭

蔡総統、再選劇の背景にあったもの~若者たちの危機感~

蔡総統再選の背景にあった「香港危機」

もともと蔡総統の支持率は、「再選絶望」とまで言われていましたが、
昨年1月の習主席による「一国二制度」発言を皮切りに急上昇。
さらに、6月に本格化した香港デモ運動の影響で
支持率は40%台にまで持ち直していきました。

支持率

また、投票率が前回から8ポイント伸びて74.9%になりました。
これは昨年の香港区議選民主派圧勝の影響を受けた
若者の投票率が伸びたためと言われています。

投票率

陳素月(民主進歩党 立法委員)インタビュー

陳素月立法委員:香港デモがキーポイントです。
香港デモを参加する若者が、中国に暴力に振られて、自殺偽装や行方不明になった人がいます。
これは台湾で自由な若者にとって心配を感じています。
よって、国の主権を守りたいと思い始めました。

陳素月

陳素月氏(民主進歩党 立法委員)

張乗瑜(埔心郷長)インタビュー

張乗瑜埔心郷長:台湾人が経済より自由の方が大事だと思わせるのが香港事件です。
自由が失くしたら、経済も失いました。かつての香港経済はとても繁栄しています。
香港人は自由が失うことを気付きそれを反抗し始めました。
台湾人も目覚めました。

張

張乘瑜氏(埔心郷長)

影響を与え合ってきた2つの国~台湾と香港~

実はこれまでも、香港と台湾はお互いに影響を与え合ってきました。
2014年に起きた「ひまわり運動」では、
香港民主派の学生たちが台湾を訪れ
運動に必要なノウハウを吸収しました。

ひまわり運動

そして、香港で起きた「雨傘運動」には、
逆に台湾の学生たちが駆け付け
現場支援を行っていました。

雨傘運動

また、昨年起きた香港デモ運動でも、
台湾は物資供給や活動家の若者を避難させ香港をバックアップ。

香港革命

その意味で、今回の蔡総統再選は
「香港危機」が実現させたとも言えるのです。
台湾の若者の危機感は今回街頭で行った
学生さんへのインタビューにも表れていました。

「中国への危機感」について台湾の学生に街頭インタビュー

現地学生①:台湾のひまわり運動以降、
若者の政治への関心は高まっています。
政治に無関心だと、台湾は中国の一部になるかもしれません。

学生①

現地学生②:私たちが政治に関心があるのは
中国が原因だと思います。
中国が抑圧し続けるので、私たちは危機感を持っています。

学生②

変わりつつある対中観~台湾人の中国に対する危機感

習主席の「一国二制度」発言にNOを突き付けた台湾

中国の習主席は、昨年年初に“台湾も一つの中国”とする
「一国二制度」発言を行い、「武力侵攻も辞さない」という強い表現で
台湾を脅しました。

しかし、今回の総統選でこの「一国二制度」発言に
NOを突き付け、台湾は「独立した国家」だという意思を明確に示したのです。

「一国二制度」について台湾の学生に街頭インタビュー

現地学生③:私は、「一国二制度」は反対、すごく反対です。
将来的には中国と台湾の関係、
数十年後の中国の変化を楽しみにしています。

学生③

現地学生④:「一国二制度」とは台湾は中国の一部との意味です。
これは大部分の国民の立場は異なります。
台湾は主権独立政府だと思っているので、
「一国二制度」に従うべきではないと思います。

学生④

現地学生①:「一国二制度」と言えば、この前の香港デモ事件を思い出します。
香港の現状を見ると、「一国二制度」はよくないと思います。

学生①-2

では、そもそも、台湾の方々は自分たちのアイデンティティを
どのように考えているのでしょうか。
台湾の政府系シンクタンクの李明峻さんはこのように指摘しています。

李明峻秘書長:実は1990年代から30年間、
台湾も徐々に独立の方向に行っているのですね。
1980年代、自分が中国人だと思った人は8割以上です。
今中国人と思っているのは1割くらいです。
9割くらいの人は台湾人である、
中国人ではないというアイデンティティですね、この30年間。

李明峻

李明峻氏(政府系シンクタンク新台湾国策智庫秘書長)

陳素月立法委員:第2次世界戦争後、国民政府が台湾に来た後、
台湾と中国は別々の政治体と政権になりました。
台湾は自由民主の政権、向こうは共産主義です。
なので、台湾と中国は違う国であり、違う政治体です。
台湾は台湾、中国は中国だと思っている若い世代が増えています。

陳素月②

独立国家・台湾と中国を分けるもの

台湾は既に独立した国家―
では、台湾と中国を分けるものは何でしょうか。
それは、見た目や話す言葉ではなく“価値観の違い”でした。

范世平氏: 台湾の小学校教育から自由民主の価値を教えています。
子供の頃から選挙と投票の概念がります。
民主自由は台湾の若者にとって欠けられないものです。
これが中国には永遠に分からないでしょう。
中国に来て、金儲けて、金を稼いで、それでいいと思っています。
民主自由は論外です。でも台湾の若者にとって民主自由は生活必要品です。
中国に行ったらFacebook、ツイッター、グーグルなど見られなくなります。
台湾の若者にとってとても考えられないことです。
中国は過去ではずっと血縁関係を強調していました。
中台は家族です。同じ言葉で同じ文化なので、一緒になるべきだと言っていました。
しかし、今の若者は気になるのは「価値観」です。
例えば、台湾と日本は言葉違っても「価値観は同じ」です。

范世平

范世平氏(国立台湾師範大学教授 テレビコメンテーター)

台湾の次は日本が危ない~これからの外交に求められる価値観とは~

香港は対岸の火事ではない~沖縄に迫る中国覇権拡大の波~

「今日の香港、明日の台湾、明後日の沖縄」という言葉があります。
香港で起きたことは、台湾でも、沖縄でも起こりうるということです。

李明峻氏:今は台湾よりは沖縄の方も危ないのではないかと思いますね。
今中国の内部にも一部の学者は沖縄をもう中国の一部だと主張しているのですね。
だから米軍基地は向こうにいるのでしょ。
でも、いま米軍基地反対の運動も結構やっているのでしょ?
そのあとは米軍本当に撤退した後は、沖縄危ないのではないかと思います。

台湾の次は、沖縄が危ない―
事実、沖縄の尖閣諸島沖には昨年で126件、
今年に入ってからは20件の中国船の領海侵犯が行われています。

日本にはこれからどのような舵取りが求められているのでしょうか。

范雲立法委員:日本はアジアの重要な民主国家です。
また同じアジアでバランスを取っていくためには
台湾は民主的価値観に基づいて、日本と一緒に新たな民主モデルを作りたいです。

范雲

范雲氏(立法委員 民主進歩党、国立台湾大学社会学副教授)

陳素月立法委員: これからも日本にサポートして頂きたいです。そしたら、中国共産党に対抗できると思います。

陳素月③

自由・民主・信仰の価値を広げる~日台同盟樹立の必要性~

この日本と台湾の国交について、幸福の科学・大川隆法総裁は
昨年3月の台湾講演でこのように述べています。

大川隆法総裁: 私がお願いしたいことは、この台湾の繁栄と発展、民主主義、自由主義、
そして、資本主義的なものの考え方と、信仰を大事にする考え方を、中国全土に広げることであり、
実はこれが、中国の人民の幸福につながるのです。
幸福実現党のほうは、台湾との国交回復を強く言っています。
台湾との国交を回復、さらにもっと踏み込んで、台湾との同盟関係の樹立も必要であると言っています。
日台米、この三カ国が力を合して、アジア太平洋圏の自由な世界を護ることは、
世界にとってもプラスであるというふうに考えておりますし、
また、そうした価値観が、中国本土のほうにも波及することによって、
あちらも、監視カメラで観察されて、携帯やスマホまで覗き見されている国家管理のなかにある
それは本来のあるべき姿でないのだということを教えることが、神仏のやるべきことだと私は信じますし、
それを信じる人たちがやるべきことだと考えています。
でも、心配しないでください。
日本の人たちは、今度は台湾を見捨てません。
みなさんがたも、勇気を持って、正しいと思うことは言い、主張して、
未来は自分たちの手でつくっていくのだということを考えて頂きたいと思うのです。

先生

大川隆法総裁(幸福の科学グループ創始者)
2019年3月3日 台湾講演「愛は憎しみを超えて」より

日本は「自由」「民主」の側に付く姿勢を明確にせよ

ザ・ファクトの取材によると
年内にもアメリカ海軍の艦艇が台湾に寄港する可能性もあります。
さらに、アメリカがもう一歩進んで台湾バックアップの姿勢を示すということもありうるという情報もあります。
そうなると、これから日本は「自由」と「民主」の側か、
そうではなくて「唯物論・独裁政権」の側につくかを迫られることになります。
そして、どちらかにつくのかはっきりと意思表示しなければ、
「日本は中国側の国である」という烙印を押される事態に繋がりかねません。

この踏み絵については、日本ははっきりと「自由」と「民主」の側につくという姿勢を
示すことが、日本の未来の国益、平和・繁栄のためにも必要だと
今回の台湾取材を通じて強く感じました。

里村さん