尖閣諸島は日本の領土
尖閣諸島は、沖縄県石垣島の北方130キロほどの東シナ海上にある無人の島嶼群で、魚釣島、北小島、南小島、久場島、大正島、沖の北岩、沖の南岩、飛瀬などからなる。尖閣諸島には「沖縄県石垣市登野城(とのしろ)」と、住所も存在し、石垣市に属する日本の領土であるが、現在、中華人民共和国と中華民国が領有権を主張している。
以下は日本政府が公表している尖閣諸島に関する年表である。
1885年 沖縄県が尖閣諸島を現地調査し、どの国の支配も及んでいないことを慎重に確認
1895年 閣議決定により尖閣諸島を日本の領土に編入し、沖縄県の所轄とする
1896年 以降、多くの日本人が尖閣諸島に居住し、漁業を中心に鰹節工場や羽毛の採集に従事した。
1951年 サンフランシスコ平和条約で尖閣諸島はアメリカの施政下に置かれるも、日本の領土として残る。
1969年 国際連合アジア極東委員会報告書において、東シナ海に石油が埋蔵している可能性があると指摘
1971年 台湾と中国が公式に尖閣諸島の領有権を主張
1972年 沖縄返還協定により、尖閣諸島を含む沖縄の施政権が日本に返還される
2008年 中国公船が初めて尖閣諸島周辺の領海に侵入
2010年 石垣市が1月14日を「尖閣諸島開拓の日」とする条例を制定
2012年 9月11日に日本が尖閣諸島を国有化
尖閣諸島沖に侵入を続ける中国公船
これまで尖閣諸島沖には、漁船や「尖閣諸島は中国領だ」と訴える抗議船が侵入するケースは起きていた。しかし2008年12月8日、初めて中国政府の公船が侵入し、およそ9時間にわたって尖閣諸島の領海を徘徊した。以来、中国政府は頻繁に日本の接続水域および領海に侵入し、違法行為を続けている。
領海とは、海岸線から12カイリ(約22km)の海域で、沿岸国の主権が及ぶ。これに対し接続水域とは、海岸線から24カイリ(約44km)までの海域で、違法行為の取り締まりなど、主権国が規制を行うことが可能である。
海上保安庁のホームページで毎日更新されている中国公船の侵入状況を見ると、昨年2019年は1.2日に1回というペースで、接続水域に侵入していることが分かる。
2012年 79回/延べ428隻(尖閣諸島国有化9/14以降)
2013年 232回/延べ819隻
2014年 243回/延べ729隻
2015年 240回/延べ709隻
2016年 211回/延べ752隻
2017年 171回/延べ696隻
2018年 159回/延べ615隻
2019年 282回/延べ1,097隻
2020年 139回/延べ483隻(1月~5月30日)
なぜ中国は尖閣諸島を狙うのか?
中国が尖閣諸島への侵入を続ける意図は何か?
それは世界地図を中国側の視点から見ると一目瞭然となる。
中国海軍3大艦隊のひとつ、北海艦隊司令部がある山東省青島。
ここから中国が太平洋に進出するには4つのルートがある。
オホーツク海ルート
津軽海峡ルート
台湾海峡ルート
沖縄ルート
このうち最も沿岸諸国を刺激しない最短ルートは沖縄ルートしかない。中国はこの沖縄ルートを盗るために尖閣諸島への侵入を繰り返しているのだ。
もし尖閣諸島が中国に実効支配されたら?
元在沖縄海兵隊幹部がシミュレーション
元米海兵隊幹部のロバート・エルドリッヂ氏は、ザ・ファクトの取材の中で、中国の狙いについて次のように指摘する
「日本が何もやらなければ、中国が簡単に軍事施設を作れる。空港も作れるし、高台に通信機能やレーダー施設も作れるし、もうすごい基地になる」「なぜ中国が尖閣諸島を欲しいかと言うと、おそらく沖縄にある米軍を無能化し、撤退させるために狙っていると思う。」
ロバート・エルドリッヂ氏(エルドリッヂ研究所代表・元在沖縄海兵隊政務外交部次長)
※エルドリッヂ氏のシミュレーションを基にザ・ファクトが作成
尖閣諸島が中国に実効支配されたら沖縄の米軍は撤退する?
エルドリッヂ氏によると、もし尖閣諸島に中国軍の基地が出来れば米軍は沖縄から撤退する可能性が高いという。もし本当に米軍が沖縄から撤退したら?最後は沖縄本島までもが中国に盗られることになる可能性が高い。
なぜならそれを裏付けるかのように、中国政府は党の機関紙・人民日報を通じて、「沖縄は日本に奪い取られた」と主張しているからだ。
2013年5月8日付 人民日報
つまり中国は、明確に沖縄を自国の領土にする意図を持っているのだ。
南シナ海の侵略をエスカレートさせる中国
2017年10月、中国は共産党大会で「社会主義強国」を目指すと宣言した。その布石として中国は長年にわたり南シナ海を侵略。特に近年、他国の領海での軍事基地建設をエスカレートさせている。
以下は、南シナ海にあるベトナム領やフィリピン領などのサンゴ礁を無理やり埋め立てて、中国が勝手に建設した軍事基地の一例だ。
クアテロン礁
ジョンソン南礁
スビ礁
ファイアリークロス礁
ミスチーフ礁
エルドリッヂ氏
「だから尖閣諸島を中国に基地化されたら確実におしまい。日本全体が中国の支配下ないしは影響下に置かれる。」
どうすれば日本の領土を守ることが出来るのか?
現実に起きている南シナ海での侵略行為を見れば、同じことが東シナ海で起きることは十分に考えられる。しかし現時点で日本政府は、具体的に尖閣諸島を守る手立てを講じていない。
ではどうすれば尖閣諸島を守ることが出来るのだろうか。エルドリッヂ氏は次のような提案をした。
エルドリッヂ氏
「公務員の常駐」「港をつくる」「ヘリポートをつくる」「気象台をつくる」「政府の灯台をつくる」。そうするとこれが抑止力になる。国際社会から見れば「日本がちゃんと実効支配している日本のものです」。そうすれば中国は何も言えない。日本がどういう意思・姿勢で臨むのか、日本が守る意思がなければ米国は一緒に戦わない可能性が十分考えられる。
中国による尖閣諸島の領海侵犯は、今もなお続いている。
こちらもご覧ください!
中国船の侵略から尖閣諸島を守れ!渦中の中山義隆石垣市長に直撃インタビュー!【ザ・ファクト】
https://youtu.be/9bbqi6bm2EQ
沖縄左翼メディアと尖閣問題【ザ・ファクト】
https://youtu.be/HKC68hTRtug
尖閣諸島はこうして守れ!【ザ・ファクト×エルドリッヂ氏対談!】
https://youtu.be/c5YgG0i6D9Q
中国はなぜ尖閣諸島を狙うのか?【ザ・ファクト×エルドリッヂ氏対談!】
https://youtu.be/8uK0FG3B2f4
中国が尖閣諸島を日本の領土だと認めた証拠が石垣島にあった!【THE FACT FASTBREAK#48】
https://youtu.be/S1Q5GZDlrys
尖閣を狙う中国とどう向き合うべきか~釈量子・加瀬英明・Rエルドリッヂが鼎談【ザ・ファクト】
https://youtu.be/PTNERY2JmXY