2月1日にミャンマーで起きたクーデターにより、政権指導者のアウン・サン・スー・チー氏が拘束され、ミャンマー軍が政権を掌握した。「軍による民主主義への横暴」という構図で報道されているが、中国専門家の澁谷司氏はそうではないという。そこにはミャンマー国内のみならず、中国、アメリカの権力争いが背景にあった。今回のザ・ファクトは、中国・アメリカの思惑を通して、ミャンマー・クーデターの深層に迫る!

【内容】
00:00​ オープニング
00:38​ 今回のミャンマー・クーデターをどう見るべきなのか?
01:44​ 人物相関図①~スーチー氏・習近平派・米民主党
05:16​ 人物相関図②~ミャンマー軍・反習近平派・トランプ氏
07:44​ 中国側からミャンマーはどう見えているのか?
09:10​ これからのミャンマー情勢に待ち受けるシナリオ

澁谷先生プロフ写真

澁谷 司(しぶや・つかさ)氏
1953年生まれ
アジア太平洋交流学会会長。元拓殖大学海外事情研究所教授。
ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ(HSU)のビジティング・プロフェッサー。
東京外国語大学中国語学科卒業後、中国・台湾など、
東アジア国際関係論の専門家として活躍している。

今回の“ミャンマークーデター”をどのように見るべきなのか

里村英一幸福実現党政調会長(以下、里村):
まず今回のミャンマーのクーデターについて、澁谷さんはどのようにご覧になっていますか?

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民主主義VSミャンマー国軍の単純な図式ではない

澁谷氏:
世の中では普通、民主主義に対してミャンマー国軍がクーデターを起こしたっていうのはけしからんという、そういう論調が多いですけれども、私はそういう見方を全くしておりません。恐らくこれには中国の二つの派閥である、習近平派と、それから反習近平派がどちらも関わっている可能性があると、それからアメリカにおいても、民主党と共和党がそれぞれ関わっている可能性があるという風に見ております。

里村:
日本では民主主義が善玉で、今回クーデターを起こした軍部が悪玉であると、非常にまあ分かりやすい図式で報道しているのが一般的なんですけれども、そんなに単純な図式で捉えられるものではないということですか?

澁谷氏:
という風に私は思っております。

人物相関図① スーチー氏・習近平氏・米民主党

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ミャンマーは中国にとって非常に重要な国

澁谷氏:
アウンサン・スー・チーさんはですね、ご存じかもしれませんが、習近平さんとかなり近い仲ですね。それから、一帯一路ということで言えば、ミャンマーは中国からすると非常に重要な国になります。

里村:
インド洋にそのまんま出られるということで。

澁谷氏:
はい。ということで、できればミャンマーと中国が仲良くすることが良いということなんですけれども。特にですね、昨年の一月だったと思いますが、習近平さんが国家のトップとして、30年ぶりだったと思うんですけれども、ミャンマーを訪れているということで、相当アウンサン・スー・チーさんとの関係を大事にしたいという風に考えていると思います。

スー・チー氏は米民主党ヒラリー氏と近い関係にある

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澁谷氏:
それから、実はアウンサン・スー・チーさんは、アメリカの民主党、特にヒラリーさんとかなり近い仲であるという風に言われております。もう会った時から戦略的協力関係を築いたというぐらい、近い関係にあります。で、民主党としてはアウンサン・スー・チーさんを推したいということで、ご存じかもしれませんけれども、アメリカの民主党の方は習近平さんを推してると、で、習近平さんとしては、要するにトランプさんよりも、バイデンさんの方が良いということで、こちらを応援してた向きがあります。

過去にはジェフリー・エプスタイン氏との関係も?

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澁谷氏:
で、問題はですね、まあこういう問題だけだったら良いんですが、このアウンサン・スー・チーさんにはあまり良くない噂がありまして、このマイケル・アリスという方ですけれども、スーチーさんの夫で東洋学者の方なんですね。もう1999年に亡くなっているんですが、その仕事上の仲間である、イザベル・マクスウェルという方がおりますが、この人と近かった。この彼女の妹さん(ギレーヌ・マクスウェル)が、実は小児性愛で有名なジェフリー・エプスタインさんとほとんど一緒に暮らしていたような状況であります。それで、この二人が実は人身売買と小児性愛の島を実際に経営してたと。

里村:
このエプスタイン氏は、イギリスの王子も顧客名簿にあったとか、かなりスキャンダルになったんですけど、ほとんど一瞬、一緒に生活するような状態だったわけですか?イザベルさんの妹のマクスウェルさんが。

澁谷氏:
ええ、で女性をですね、エプスタイン島に連れていく時に彼女が事実上連れて行ったという。そうじゃないといきなりエプスタインさんが連れて行くっていうのは男性ですから難しいですけど、彼女が誘って、それで一緒にいくということだったんですね。で、この二人がまあ非常に問題があるんですが、この関係がどうもあるんではないか、つまり、アウンサン・スー・チーさんは、直接は関係はないかもしれませんけれども、間接的にもしかすると、エプスタインさんと関係があった可能性があるということですね。

人物相関図② ミャンマー軍・反習近平派・トランプ

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反習近平派がミャンマー軍を応援した可能性

澁谷氏:
ミャンマー軍からするとですね、恐らく反習近平派と言われている、つまり習近平さんの政権を面白くないと思っているグループがいますから、その彼らがですね、もしかしたら軍を応援した可能性がある。つまり、アウンサン・スー・チーさんを蹴飛ばすというか、蹴落とすために、その可能性がある訳ですね。

トランプ政権もミャンマー軍を推している?

澁谷氏:
それから、トランプ政権としては、このミャンマー軍を推してる可能性があります。なぜかというと、昨年11月に行われたミャンマーの総選挙で、例のドミニオンの集計機を使っているという説があります。ミャンマー軍側はこの総選挙で不正があったと主張しているんですが、これはまあハッキリとしたことが分からないのですが、もしかするとミャンマー軍の言っている不正というのは、まさにトランプさんが主張しているドミニオンによる、集計機による不正がミャンマーでもあったのではないかと。去年のどちらも11月ですけれども、アメリカの選挙にも使われた、そしてミャンマーの選挙にも使われた可能性のある、ドミニオンを使っている。したがってこのミャンマー軍は、もしかするとかなり不利を被った可能性があると。

米大統領選では反習近平派がトランプ氏を応援

澁谷氏:
トランプさんはですね、実は反習近平派にかなり応援されていました。で、例のハンター・バイデンさん、バイデンさんの息子なんですが、その彼のスキャンダルを暴いたのは、この反習近平派の人達でしたね。ということで実は、これらが対決しているという、対決の図式があるかもしれないというのが、私の仮説であります。

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里村:
澁谷さんが色々な研究をしていて、そういう情報を元に判断・分析されているということですね。これで言いますと、例えば、習近平対反習近平派、つまり中国共産党の権力闘争の部分が、今回のミャンマークーデターに反映しているということになってくるのですね。

<参考動画>

米大統領選に中国が不正介入?「習近平派」vs.「反習近平派」の権力闘争の内幕(ゲスト・澁谷司氏)【ザ・ファクト】

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中国側からミャンマーはどう見えているのか

中国全体としてはどちらが政権を握っても同じ

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澁谷氏:
中国に関して言うとですね、アウンサン・スー・チーさんがトップに立とうが、ミャンマー国軍が政権を握ろうが、どちらでも別に構わない訳ですね。特に中国の場合は、民主主義ということに関しては全く無視しているというか、全然考えておりませんから、まあどちらが政権を取っても構わない。中国の公式発表では、今回のクーデターは実はですね、ミャンマーにおける“大規模な内閣改造”であったと、「クーデター」という言葉は使っていない訳です。それはどうしてかというと、まあハッキリ言って、どっちが取ったって、習近平派か反習近平派のどちらかが有利になるだけで、中国全体としてはどちらでも同じであると。

里村:
確かに今、ミャンマーは貿易に関して、輸出も輸入も中国依存が30%を超えて、東南アジア地域の中で、最も中国との関わりが深いという訳なので、まあ極端なことをいうと、中国側はどちらであってもってことですね。

これからのミャンマー情勢に待ち受けるシナリオ

里村:
今後のミャンマー情勢は最終的にどういう方向に行くんでしょうか?
今の所、軍部は一年間くらい置いて、選挙をやるんだと言ってはいますけれども、どのような形で決着はついてくると思いますか?

人民解放軍が介入する可能性も

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澁谷氏:
ごく最近ですけれども、確か人民解放軍がミャンマーに入ったのか、入ってないのかまだ分りませんが、国境沿いにいるのかもしれませんけれども、もしかしたらば、ミャンマー軍をサポートするために入る可能性もあります。つまり、ミャンマーで全国的にですね、大きなデモがあったりなんかすると大変ということで、それを制圧するために、もしかすると中国が動く可能性もあるということですよね。だけど、西側諸国としては、今回のクーデターに関してかなり厳しい見方をしていますから、これがどうなるかっていうのは、まあなかなか予想はつきにくいんですけれども、まあこれからしばらくの間、ずっと混乱が続くであろうと。で、中国としては、あんまり混乱が長く続くのも、中国経済に対して、それから一帯一路ってことに関しても良くないので、なるべく鎮圧の方向に向かう可能性がありますね。もしかすると、実際に人民解放軍がミャンマーに入って、そして暴動を鎮めるという可能性も十分残っているんじゃないでしょうか。

ミャンマーの民主主義が否定されていることは決して望ましい状況ではない

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里村:
もし、万が一最悪なケースに至る場合もありますので、やはりそうなると、ミャンマーの方も色んな権力闘争はあるんだけれども、基本的には民主主義が踏みにじられていることに関しては、やはりこれは望ましくない方向ではあるということで。

澁谷氏:
ありますけれどもね、はい。

里村:
まあミャンマーの民主主義の勢力にも色んな自分たちの利益があるんで、単純には言えないということですか。

澁谷氏:
そうだと思いますね。

なぜこのタイミングでクーデターが起きたのか?

里村:
最後にもう一点お伺いしたいのが、この2月1日のクーデター、まあ要するにミャンマーで総選挙があったのが去年の11月、それから見るとちょっと時間が空いている。そして、アメリカでバイデン大統領が就任したのが1月20日ということで、今回の2月1日というタイミングはどのようにご覧になっていますか?

澁谷氏:
ミャンマーの新国会が2月1日に始まる予定だったはずですので、それをそもそも阻止するという目的があったと思います。

里村:
そうすると今回のミャンマークーデターは、民主主義が軍部の暴力で潰されたという単純な善悪ではなくて、その背後には中国の権力闘争、さらにミャンマーにおける一つの権力闘争的なもの、あるいはアメリカにおいて、エプスタイン氏をキーマンとする権力闘争であったり、犯罪組織に対する摘発だったり、そういう側面が全部絡んでいるということ?

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澁谷氏:
という風に考えると、まあ分かりやすいというか、一番良いんではないかという風に思っております。

里村:
正直言って日本政府も歯切れの悪い対応をしているのは事実です。日本のマスコミもきちんとリポートをしきれていないんで。今後もミャンマークーデターに関して何か動きがあった時に、その都度また澁谷さんにお伺いするということで、フォローさせて頂きたいと思います。今日はどうも有難うございました。

澁谷氏:
有難うございました。

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