中国は今、「南京大虐殺」と「従軍慰安婦」に関する資料をユネスコ記憶遺産へ登録しようという動きを進めています。ユネスコ記憶遺産というのは、基本的には歴史的に貴重な文書を中心に登録するというもので、「ベートーベンが書いた楽譜」や『アンネの日記』といったものが登録されています。中国が具体的に何の資料を登録しようとしているのかについては、これまで明らかにされていませんでしたが、今回、「The Liberty」最新号が、「南京大虐殺」に関する4つの資料をスクープしました。

中国がユネスコ記憶遺産に提出した資料1:日本軍の蛮行を写したとされる写真

冬に起きたはずの「南京大虐殺」写真の日本兵が、なぜか夏服

まずは、日本軍の蛮行を写したとしている写真です。日本兵が刀を持って、座っている人の首を打っているという写真です。よく出てくる写真ではあるんですけれども、これは当時の南京戦と関係のないものであろうと、すでにほぼ論証されています。南京戦というのは12月に南京入城があって、「南京大虐殺」と言われるものも12月から2月にかけての厳寒期に起こったものだと言われています。その時期の南京は寒いはずですが、この写真のなかで刀を持った人は半袖の服を着ています。同じ写真にたくさん人が写っているのですが、この人たちもまた軽装です。そのため、この写真は南京戦と関係ないものだと言って間違いないでしょう。

中国がユネスコ記憶遺産に提出した資料2:マギーフィルム

たくさんの女性たちが笑顔で映っている

2つ目は、マギーフィルムです。これを撮影したマギーという名の牧師は、安全区にいて、避難してきた人たちの世話をする仕事をしていました。このフィルムにはたくさんの女性たちが映っているのですが、みんな笑顔です。むしろ、強姦や虐殺などといった危険なことがなかったという動かぬ証拠といえるものでしょう。

撮影者本人が目撃した殺害はゲリラ兵の掃討1件だけ

マギー氏は東京裁判で「こんな殺人があった」「強姦があった」などと証言したのですが、2日目の反対尋問で「じゃああなたは何件見たんですか」と聞かれた時に「1件です」と答えています。残りはすべて伝聞だということです。目撃したというその1件も、実際には便衣兵(ゲリラ兵)といって、中国人が兵服を脱いで私服に着替え、銃を持っている危険性のあるものを取り締まる場所で起きたことでした。日本兵が誰何(すいか)した(呼び止めてといただした)ところ、逃げ出した者を撃った場面を見たということなので、つまりこれはゲリラ兵の掃討を目撃した話だったのです。

「何ら大虐殺を意味するものではない」と一度判断されたマギーフィルム

さらにマギー氏は、このフィルムを東京裁判に提出していません。東京裁判は、日本軍の蛮行をいかに証明するかという裁判でしたが、米軍としては「これは何ら大虐殺を意味するものではない」とわかっていたので出さなかったのです。つまり、今回、中国が出してきている資料は、いわゆるお蔵入りしていたものなのです。

中国がユネスコ記憶遺産に提出した資料3:虐殺を記したという日記

日記にも伝聞以上の情報が書かれていない

3つ目の資料は、虐殺を記したとされる、女子大の寮長・程(てい)氏の日記です。ある意味で、ユダヤ人虐殺の『アンネの日記』みたいな形で決定的な証拠だとして提出されています。まえがきやあとがきは、現在存命の歴史家が書いているのですが、「大虐殺が20万人、レイプも2万人といった記録がこの日記に出ている」としています。しかし、日記を読んでみるとほとんど全部が伝聞情報で、この寮長自身が目撃した殺害は基本的には1件もないのです。

中国がユネスコ記憶遺産に提出した資料4:日本兵の供述書

日本に不利な証言をすれば自由にするという条件で強制された自白

そして4番目が日本兵の供述書です。中国大陸にいた日本軍が、終戦になって拘束されたときに「虐殺をしたという証言をすれば日本に返してあげる」と言われ、「自分はこんなことをやった」と述べることになった、まったく信用のできない供述です。同じことが東京裁判の時に、ソ連のほうでもありました。シベリアに抑留されている方たちが、日本にとって不利な証言をすれば帰国できるということで、実際に裁判の証言に使われるなどしました。中国共産党が喜ぶようなことを話せば話すほど、すぐに帰してもらえたということです。また最近、中国のほうにずっと残っていた日本人の方も、同じケースと言えるでしょう。日本に不利な証言をして一日で釈放されることを拒み、長い間刑務所に入れられたという大変な記録が話題になっていました。

中国が全力を挙げて集めた資料はいずれも証拠価値がなかった

「南京大虐殺」がなかったことの裏付けが結果的になされる

以上4点の資料は、いつ・どこのものともわからない写真、それから現場が押さえられていないフィルム、あるいはほとんど伝聞だけの日記、そして強制された自白という、要するに、証拠価値のまったくないものでした。中国は「南京大虐殺」を歴史の記憶遺産として永遠に残したいと、ある意味で全力を挙げてこれらの資料を集めて提出し、今回の申請をしてきました。しかしそれらの資料が、何ら虐殺を示すことができないということは、つまり虐殺自体なかったということになります。今回、中国が出した資料によって、はからずも歴史の真実が裏付けられることになるでしょう。

慰安婦に関しても中国の提出した資料から真実がわかってくる

今回は南京について取り上げましたが、次回は中国が出している慰安婦についての資料を検証していきます。これも現時点で、一つ一つの資料に、実はこの「従軍慰安婦」の強制連行、あるいは奴隷的な扱いをしたということへの反証、まったく否定する写真、供述書や日誌が入っていることが明らかになっています。軍としての取り締まりによって、きちんと女性たちが守られていたといったことなどがわかり、今回の「南京大虐殺」の資料と同じように、いかに客観性のない資料であるかがあきらかになってくるでしょう。

ユネスコは、「戦争を呼び込む」のではなく「平和」のためにはたらくべき

ユネスコは、世界平和のために記憶遺産登録を行っています。しかし、今回の登録によっては、中国が「日本が悪かったんだ。日本はとんでもない国なんだ」「(だから日本には)何をやってもいいんだ」とし、逆に戦争を呼び込む方向にユネスコが仕事をしてしまうということになりかねません。これはなんとしても、世界のためにも阻止しなければなりません。

幸福実現党は全国で署名政府に対し提出した

これについて幸福実現党は「ユネスコ記憶遺産」反対署名を日本政府に提出しました。まずは政府が動かなければなりません。安倍政権はアメリカに気兼ねをして、慰安婦の問題、あるいは南京大虐殺と言われる問題に対して、なかなか反論できないでいます。やはり日本人として反論し、理解してもらって、これは決して歴史に遺すべきものではないのだということをユネスコの方々には知ってもらう必要があります。そのための取組みをこれからも続けていくことが大事だと思います。

歴史の嘘はここで解消しない限り永遠に残る

戦後70年間積み重ねられてきた「嘘」に対して、あまり日本政府もきちんと反駁してこなかった「つけ」が今、たまっています。そして、この「つけ」はここで解消しない限り、永遠に残ることになってしまうものです。政府にとっても勇気を持って反駁していく必要性がありますし、そのためにも私たち日本国民一人ひとりが、まずこういうものは嘘なのだということを納得していかなければなりません。今年は戦後70年で安倍談話が出ると言われています。今、「河野談話」あるいは「村山談話」を基本的にはそのまま踏襲していくスタンスを取っているので、この2つの談話を見直し、あるいは無効にして、そのスタンスでユネスコに対しても、アメリカに対してもはっきりものを言っていくことが大事なのではないでしょうか。

戦後70年の今年、先の戦争に関して、日本軍が残虐なことをした、侵略をしたといった「嘘」をあらため、そして先の戦争が日本の自衛、そしてアジアの解放のためであったという正しい歴史観を確立していく年にしなければなりません。