1995年3月20日、死者13人、負傷者6,300人を出した史上最悪のテロ事件、
地下鉄サリン事件が起きました。

地下鉄サリン事件をはじめとするオウムの犯行は、
どのように明らかになったのでしょうか。
これまで語られることのなかった事件解明の裏側にTHE FACTが迫りました。

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オウムは全国各地で様々な事件を引き起こしていた

1989年11月に起きた坂本弁護士一家失踪事件以降、
オウムは、全国各地で様々な事件を引き起こしていた。

1989年11月 坂本弁護士失踪事件

1989年11月4日、横浜市内の弁護士 坂本堤さん一家3人が何者かによって連れ去られた事件。
この事件を起こしたのがオウム真理教であり、坂本さん一家は殺害されたことがわかった。

1994年3月 宮崎・営利略取事件

宮崎の資産家男性がオウムに入信した娘らによって連れだされたうえ、
軟禁されて現金を騙し取られそうになった事件。

1994年6月 松本サリン事件

1994年6月27日深夜、「喉が苦しい」などの119番通報が相次いだ。
県警が調べたところ、同市の開智ハイツ4階で5人の死亡が確認された。

警察は「宗教弾圧」という非難を恐れていた

実は、警察はオウムが事件に関係している証拠を押さえていた。
しかし、当時、一部の宗教学者や評論家、マスコミは
オウムを擁護していたため、
警察は「宗教弾圧」という非難を恐れ、
オウムに対する強制捜査に踏み出せずにいた。

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オウムに狙われた幸福の科学

これに対して、幸福の科学は、1991年から一貫して
オウムの反社会性に対する批判を続け、
その教義の誤り、危険性を指摘し続けた。

こうした動きを封じるために、オウムは恐ろしい計画を実行しようとする。

なぜ、幸福の科学は危険を顧みずに、
オウム批判を続けていたのか?

それは、オウムが起こしたもう一つの重大犯罪に遡る。

1989年11月に起きた「坂本弁護士一家殺人事件」である。


霊査によって坂本弁護士一家殺害事件の犯人を特定していた

幸福の科学・大川隆法総裁は、霊査によって
1991年の段階で、
この事件がオウムによるものであることを見抜き、
オウム事件を追いかけていたジャーナリストに伝えていた。

オウムの危険性をいち早く察知し、
言論による批判を続けていたのである。

幸福の科学がオウム批判を続けていた理由とは、
「宗教界全体の信用回復は、
宗教自身によってなされるべきであり、
それは正当な言論による批判によって
なされるべきである」と考えていたからだ。

しかし、オウムは暴走をはじめ、
ある事件をきっかけに状況が大きく変わった。

仮谷清志さん誘拐事件

1995年2月28日、東京都目黒区の住宅街で、一つの事件が勃発した。
目黒公証役場事務長 仮谷清志さん誘拐事件である。

この事件の第一通報者が幸福の科学職員だったのだ。

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假屋さん誘拐事件の現場で
通報者の一人、Kさんに話を聞いた。


通報者Kさん そこにちょうど標識がありますが、
その前のところにワゴン車が止まっていました。
そのワゴン車の向こう側から男性の叫び声が聞こえました。

そして、複数の男性の若い声がして、
そのままワゴン車の中に人がどんどん走り込んでいって、
そして急発進をして(逃げて)いった。
(自分たちの車の)助手席に乗っていた人が
「これはちょっとただ事ではない」ということで警察に通報しました。


仮谷清志さん救出のための活動を開始

この日を境に、幸福の科学は仮谷さん救出のための活動を開始する。

全国の有志が仮谷さん救出を訴えるチラシ配布と街宣を決行した。
3月18日には、1万人のデモを行った。

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警察にオウムの強制捜査を働きかけた

同時に、躊躇する警察に対して、仮谷さん救出のために、
一刻も早く強制捜査に踏み切るよう、強く働きかけを始めた。

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メディアでオウムの危険性を訴えた

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1995年3月15日、文化放送「梶原しげるの本気でDONDON」に
幸福の科学 広報課 課長(当時)の土屋 倫美さんが出演し、
オウムの危険性を訴えていた。

土屋 これは人命がかかっておりますのでね。
だからこそ本当に(オウムを)疑っているのであれば、
早く強制捜査等をしてほしいと。
また、逆にオウム心理教もですね、自分たちが無実であるならば
やっぱり証明する必要は大いにあるという風に考えています。
このままでは本当に取り返しがつかないような状況になる可能性がありますので、
ぜひマスコミの方も警察の方も、
假屋さんの救出のために頑張って頂きたいと思っております。


政治家への働きかけ

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幸福の科学会員で、元大蔵大臣の故・三塚博氏ら政治家にも
人命救助のために捜査の必要性を訴えた。
当時、政治家との窓口を担当した、
幸福の科学 広報課 次長(当時)の今井二郎さんに話を聞いた。

今井 警察といういわゆる行政機関だけではなくて、
政治の方のバックアップというかね。
警察庁の長官の上に政府がいるわけですから。
政府の方から“GO”というのを後ろから背中を押す形がなければ
それ(強制捜査)はできないですよ。
だからこれは「宗教的な弾圧」ということではなくて、
要するに「テロ集団に対して断固たる対処をしてください」という申し込みですよね。


マスコミより早く上九一色村に入り、独自調査を進めた

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オウムのサティアンがあった山梨県上九一色村。 
拉致監禁が行われていた危険なこの地に踏み入るマスコミは当時、皆無だった。

しかし、仮谷さん救出のために、幸福の科学職員は村に急行。
独自調査を進めた。


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上九一色村を取材していた
月刊「ザ・リバティ」編集部(当時)の
中川建志さんに話を聞いた。

中川 多くのマスコミは事件が起きてから慌てて(この村に)入ってきたんですよ。
我々は「この上九一色村で(オウムは)何か必ずやっているはずだ」と。
「あまりにもおかしい」と。
実はこの先の(オウムの)富士山総本部の方には
ワゴン車が土に埋められているような現場もあったんですね。
そこを我々が取材に入ろうとするとやはりすごい勢いでオウムの人間が妨害しにくる。

そもそも、土の中にワゴン車が埋めれていること自体が異様ですし、
「これは絶対に何かとんでもないことをやっている」というのは、
ここを取材していて確信しました。


警察の捜査を大きく進展させた、オウム信者のポーチの発見

取材活動の中で、
取材班はオウムの「科学技術省」に所属する信者のポーチを発見。

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その中には、オウムが取引する業者のリストが含まれていた。

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上九一色村を取材中にポーチを発見した、
矢内筆勝さん(現:幸福実現党 総務会長(兼)出版局長)に話を聞いた。

矢内 そうですね。
そのポーチの中に身分証明書が入っていまして、
「科学技術省」という彼らが作っているサティアンの身分証明書が入っていた。
さらに手帳が入っていた。
住所録みたいなものが。
そこにオウムが恐らく取引しているであろう、
色んな建設関係とか科学関係とかの会社ですね。
色んな会社の名前が200社くらい。
サリン製造に関わると見られる、取引業者がたくさん書かれていたと。
そして、その手帳を私たちは警察の方へ届けたんですね。


このリストを提出したことにより、警察の調査は大きく進展する。

しかし、こうした動きに対して、
オウムは、「仮谷さん誘拐の犯人扱いをした」として
幸福の科学に対する訴訟を起こした。

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幸福の科学の活動が後押しし、オウムの強制捜査が決定

幸福の科学の活動は、批判を恐れる警察への大きな後押しとなり、
上九一色村サティアンへの強制捜査が決定した。

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しかし、警察の動きは一手後手に回った。


3月20日、オウムは強制捜査を避けるために、日本史上最悪のテロ事件、
地下鉄サリン事件を引き起こしたのだ。

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その2日後の3月22日、警察はオウム施設へ強制捜査を決行。



5月16日、麻原の逮捕によって一連のオウム事件は収束に向かった。


幸福の科学の活動は警察や国家公安委員長から感謝された

事件を通報した幸福の科学職員は、「全容究明に多大な貢献をした」として
警察から感謝状をもらった。

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もし、幸福の科学が後押しをせずに、
強制捜査がもっと遅れていたら――。

当時、国家公安委員長だった人物は、
オフレコで「一年遅かったら日本民族が滅亡するところだった」と語ったという。

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オウムは東京における大量無差別殺戮を計画していた。
計画通り、東京上空でのサリン散布が行われていたら、
1千万人の命が奪われ、首都東京は壊滅していた可能性もある。

地下鉄サリン事件は起きてしまったが、
日本の危機を未然に防ぐことができたのだ。

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オウム事件が日本人残した「宗教に対する偏見」

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里村 こうして、オウム事件は幸福の科学をはじめ、
捜査当局、マスコミなどの力を集めて解決へと向かいました。
地下鉄サリン事件から21年。

ただ、その一方で「オウム事件」を名目に宗教法人法が改正され、
国家による宗教団体への監視が強まるなど、この事件は多くの傷を残しました。
その傷の中でも最たるものは「宗教に対する偏見」です。

今回のTHE FACTで
お伝えしたように、オウムの危険性をいち早く見抜き、指摘し、
実際に行動をして、オウム事件を解決に導いた宗教団体があったことは忘れられてはなりません。
善悪を分ける智慧の力こそ、宗教の大切さの一つです。

今回のザ・ファクトが「宗教」について
新たに考えるきっかけとなることを祈ります。