もし、トランプ大統領が誕生したら、
日本はどうなるのか?
トランプ候補の発言を読み解き、
その政策を探るシリーズ最終回。
トランプの「日本」についての発言を紹介する。
そして、2月からはじまる共和党予備選、
トランプに勝算はあるのか?
及川幸久さん(幸福実現党外務局長)と
分析を進める。

こちらもお読みください

なぜ、大統領候補ドナルド・トランプが人気なのか?【米国2016最新事情③】
トランプ候補「メキシコ移民送還」「イスラム入国禁止」の真意とは?【政策から見たトランプ①】
トランプ大統領が「偉大なアメリカ」を取り戻す!? 経済政策は?【政策から見たトランプ②】
トランプ大統領の外交政策 「孤立主義」か「世界の警察官」か?【政策から見たトランプ③】

トランプの「中国」「日本」への発言

torannpu

中国はアメリカの「敵国」

里村 中国に対してはどうでしょう。

及川 非常に特徴的なんですが、中国をアメリカにとって
「敵国である」と表現したのは、彼だけですね。

里村 はっきりと敵国だと。

及川 敵国だと言っています。その敵国という意味が、
さっきの経済政策にも関係するんですが、
まずはアメリカ人の雇用を一番奪ってきたのは中国だと。
これが一つです。
それから昨年も問題になった産業スパイ、サイバー攻撃ですね。
サイバー攻撃でアメリカの企業の情報や技術を盗んでいる。
要するに、泥棒をしていると。
それだけではなく、かつ為替の操作をしている。
それによってアメリカの製品が不当に高くさせられている。
「これだけの材料があって、なぜ中国を敵国とみなさないんだ。
いつまで中国に媚を売っているんだ」というのが
トランプの見方です。
里村 それはヒラリー・クリントンとは大きな違いですね。

OP2s

日米安保の片務性を問題視

里村 では、日本についてはどう見ていますか。

及川 「TPPなんかやったら日本にさらに雇用を奪われるぞ」
というのがあります。
具体的な例として、「日本でアメリカの高級車がいったい
何台走っているか?ほとんどない。しかし、アメリカでは
日本のトヨタの車ばかりじゃないか」と言っていますね。
それだけ日本に産業面や貿易面において、
アメリカの雇用を奪われているんだと批判をしています。

おばま

及川 それからもう一点は、防衛面。
多くのアメリカ人には知られていないが、
『日本が攻撃されたら米軍は日本を守るけど、
我が軍隊が他の国から攻撃されても日本は守ってくれないんだ」
と「日米安保」の問題を明確にアメリカ人に言ってるんですね。

里村 いわゆる「片務性」の問題ですね。

及川 この「日米安保」への指摘は、そのとおりですよね。

里村 彼は日米同盟には反対なんですか?

及川 日米同盟反対というよりも、日米同盟における片務性は
おかしいと言っている。

里村 必ずしも日米同盟を否定しているわけではないんですね。

でていけ

及川 そういうわけではないですね。
「片務性の部分がアンフェアであると。このまま放っておいていいのか」
と言っていますね。

里村 そう聞きますと、その辺のフェアネスのあたりとか、
やはり非常に経営者、あるいは実業家という面から
政治を見てものを言っている感じがしますね。

及川 そのとおりですね。
アメリカにとって中国やイランや北朝鮮、シリアなどと比べれば、
日本はビジネスのパートナーになれるわけですよ。
いま、私はトランプが日本を批判している点を挙げましたが、
どれも根本的に日本を否定しているわけではないんです。
日本とは何らかの形で共に発展しようというのは、言外に感じます。

「イデオロギー」ではなく、「コモンセンス」で動くトランプ

里村さん1s

里村 トランプの人物を一言で表すと、どうなるでしょうか。

及川 今までのアメリカの政治、日本の政治もそうだと思うんですが、
やはりイデオロギーがあって、保守とリベラルだとか、
右翼と左翼とかいろいろな言い方はあると思います。
トランプは共和党ですから、保守、右という位置づけになるかと思います。
でも、よく中味を見てみると、共和党的な部分もあるし、
まったく共和党的ではない部分もある。
だからこれはイデオロギーでカテゴリー分けできないタイプだなと思うんです。
あえて言えば現実主義、リアリズム。
彼自身は何と言っているかというと、コモンセンスと言っています。
常識ということですね。
日本語の常識とはちょっとニュアンスが違うんですけれども、
つまり、「普通に考えたらみんなこう思うでしょう」ということです。
イデオロギーとか立場とか主義とかは関係なく、
普通に考えたらこうじゃないですか、という
コモンセンスを代表しているということですね。

里村 その辺のリアリスティックなところは、
今、自分たちの国がちょっと落ちてきたアメリカの人たちに
「現実を見ろよ」と言っているようで、
そこで支援者が非常に増えてきているんですね。

及川さん1s

及川 そうですね。「これまでイデオロギーでやってたが、
結局、いまのアメリカの政治は問題解決できていないじゃないか」と。
「問題が増えているばっかりだろう」と。
「私は問題を解決する人です」というのがトランプの言い方ですね。

里村 「自国の利益を考えたときにこうなるでしょう」という
ある意味、オーソドックスというか、ストレートな主張をしているわけですね。

及川 暴言・失言と言われるイメージとはまったく逆で、
意外といま、言われたようにオーソドックスですね。
里村 すべての面において評価できるかどうかは別ですが、
意外とそうだということですね。

トランプの守護霊=潜在意識は何を語ったのか?

里村 最後になりますが、つい先日、1月5日、幸福の科学総合本部で、
幸福の科学グループの大川隆法総裁によって、
トランプ氏の守護霊(Guardian Spirit)へのインタビューが
行われました。
実はその場で大川総裁に降りたトランプ氏の守護霊に対して
英語で質問したのが及川さんでした。
またトランプ氏の守護霊も英語で答えました。
それが今回、緊急発刊されたわけです。
今日、トランプ氏が実際にアメリカで言っていることを
及川さんから解説していただきましたが、
この現実のトランプ氏とトランプ氏の守護霊と対話した及川さん、
この非常に特殊な経験を通じて、
いま、トランプ氏に関してどのようなことを感じていますか。


守護霊インタビュー ドナルド・トランプ アメリカ復活への戦略

大川隆法著
『守護霊インタビュー ドナルド・トランプ アメリカ復活への戦略』
(幸福の科学出版刊)


及川 大川総裁の守護霊霊言というのは、
もうすごい数を重ねて本当に有名になってきて、
この本もたぶんすぐにアメリカでも出るわけです。
この中で彼の守護霊は本音を言ってくれています。
例えば私がちょっと質問者としてかまをかけて、
「あなたは非常に差別的な質問で
アメリカの世論を分裂させてますよね」と
あえて引っかけてみたところ、
「何が問題なんだ。私は正直なだけだ」と。
この霊言をあとで読んでいただくと
すごくよくわかりますが、実に正直な人だなと。

里村 そして、それはトランプ氏本人もそうだと。

及川 そうですね。裏表があるようで、
意外とないんだなというのが、私が受けた印象でした。

アイオワ、ニューハンプシャー予備選の勝算は?

里村 さて、いよいよアメリカ大統領選、
共和党も民主党もいよいよ候補が絞られる闘いは2月からですか。

及川 そうですね。2月から、両方の政党の予備選挙が
各州ごとで行われます。
まずアイオワからスタートしますね。次はニューハンプシャー。

里村 共和党はどうなりそうですか。

及川 アイオワは最初なのでいつも注目されるのですが、
アイオワは小さいし保守的な田舎の週なので、
たぶん、トランプの下で第2につけているテッド・クルーズが
勝つと思います。
ただ、次のニューハンプシャーあたりから、事前の世論調査ですと
トランプが圧倒的に強いので、トランプが勝ち続ける見込みが出ています。
実際は蓋を開けてみないとわかりませんが、このままでいくと
トランプが優勢に進んでいく可能性が高まっているのは確かです。

里村 なるほど、わかりました。よくも悪くも、
アメリカの大統領が世界を動かす。当然、日本にも影響が出てきます。
今後もこのアメリカの大統領選、トランプ氏を中心に
私たちも注目していきたいと思います。
及川さん、今日はありがとうございました。

及川 ありがとうございました。

こちらもお読みください

なぜ、大統領候補ドナルド・トランプが人気なのか?【米国2016最新事情③】
トランプ候補「メキシコ移民送還」「イスラム入国禁止」の真意とは?【政策から見たトランプ①】
トランプ大統領が「偉大なアメリカ」を取り戻す!? 経済政策は?【政策から見たトランプ②】
トランプ大統領の外交政策 「孤立主義」か「世界の警察官」か?【政策から見たトランプ③】