収容所で生まれ育ったシン・ドンヒョク氏にインタビュー

2014年2月17日、国連調査委員会が発表した北朝鮮の人権侵害についての報告書によると、過去50年あまりの間に数十万人が死亡し、現在、4つの収容所に8万人から12万人が拘束されているといいます。3月公開のドキュメンタリー映画「北朝鮮強制収容所に生まれて」では、収容所で生まれ育ったシン・ドンヒョク氏を主人公に、収容所の実態が明らかとなっています。6歳から労働を強いられ、暴力をふるわれてきたというシン氏。監獄で逆さづりにされ、腕を曲げられていたというその腕は、湾曲しています。来日したシン・ドンヒョクさんに、幸福実現党党首・釈量子氏が話を聞きました。
映画化されたことについてどうお考えですか、との質問に「すべてを断って一人静かに暮らそうと思ったが、今も収容所にいる父や友人、その間に収容所で生まれた人を思い、自身にとって苦痛を伴う活動も彼らのためになると信じて行っている」とシン氏は答えました。

収容所に入ったら人間扱いされず、拷問は日常的

取材班は、元収容所の警備隊員で、現在は韓国で人権活動家をしているアン・ミョンチョル氏に話を聞きました。
同氏は「はじめの3年間は、教育されたとおり、(収容所に入る人は)本当に悪い奴らだと思っていました。死んでも当然で、そういう扱いをしてよいと。テコンドーの練習台にも使っていました。罪の意識はありませんでした。初めて公開銃殺を見た時は目をつぶってしまったし、おぞましいものでした。ところが、頻繁に見ていると慣れてきて『ああ、またか』となってくるのです」と語りました。

収容所では、囚人は人間扱いされず、食事もまともに与えられません。アン氏が描いた収容所の様子には、雑草を食べようとして警備兵に見つかり、暴行を受けている囚人の姿もあります。ネズミを捕ったり豚の餌を食べたりするのも命がけで、見つかったら殺されるのです。
アン氏はさらに「保衛員が女性を弄び、妊娠したら堕胎させます。それが難しいようであれば、妊娠した女性自身を殺すのです。逃走を企んだら、無条件で銃殺です。次に器物破損、牛を殺したり資材を破損しても銃殺です。それから保衛員や警備隊の指示に不満を持つ、これも銃殺です。収容所にいる人たちは、どのみちその中で殺される人たちなので、教育する必要もないし、生かそうが殺そうが構わないのです」と語りました。

囚人は「なぜ自分が収容所に入れられたか」を知らない

アン氏が自分の立場に疑問を持ち始めたのは、運転兵として囚人と話すようになってからだといいます。「運転兵をやりながら毎日のように囚人たちと会い、話を聞いてみると、彼らはなぜ収容所に入れられたのか、その理由すら知らないのです。『悪い奴らだ』と教わったのに、当の罪人は何の罪を犯したのかさえ知らないのです。これは何か間違っているのではないかと、その時から疑問を抱き始めました」
北朝鮮は今後どうしなければいけないと思いますか、との質問に「あの政権は嘘で固められています。みんな嘘に騙されています。それを打ち壊さなければなりません。国民の意識を変えないといけないのです。北朝鮮は世界で最もひどい人権蹂躙国家なのだと、北朝鮮人に伝えてあげなければならないのです。ラジオやUSB、DVDで世界の文化を送り込み、彼らの意識を開かなければならないのです」と答えました。

大川隆法 法話「希望の復活」より

北朝鮮の2千万人の中には、幸福の科学の会員もいます。孤独の中で戦っています。しかし、2千万人が囚人のような形で国家に囚われているということを、私は許しません。彼らに自由を与えたいと思います。軍事独裁の、一党の、そうした独裁政権から、複数政党制、自由と民主主義、言論出版の自由、信教の自由、こういうことを認めさせることが国民を幸福にすることであるということを、伝えること。今、時は満ちています。彼らにそれを教えなければなりません。

法話「希望の復活」は幸福の科学の精舎・支部にて動画が公開されています。

21世紀のこの現代において、いまだに国家による虐殺や人権蹂躙が行われているというこの事実を、私たちはしっかりと受け止めねばなりません。国家によるこのような蛮行は、一日も早く止めるべきです。政治的、経済的圧力など、日本にできることをやり、北朝鮮の無血開城を一日も早く進めることが求められています。