1997年、中国系アメリカ人の作家アイリス・チャンによって書かれた『ザ・レイプ・オブ・南京』が50万部の大ベストセラーに。残虐非道な日本を世界に訴えたこの本の裏には、“ある大国の思惑”がありました。一方1995年、アメリカではスミソニアン博物館の原爆展が中止に追い込まれました。そこには“原爆投下を正当化する勢力の影”があったのです。
今回は、「南京大虐殺」と「原爆投下」の裏にある、大国の思惑に迫ります。

南京大虐殺を世界に知らしめた書籍

1997年に発刊された『ザ・レイプ・オブ・南京』は、若い中国系アメリカ人女性アイリス・チャンが祖国で起きたいわゆる「南京大虐殺」を描いた本です。発刊当初から全米の新聞、雑誌の書評で取り上げられ、50万部を超えるベストセラーとなり、日本人の残虐性を世界に印象づけました。しかしその内容に関して、多くの研究者から基本的な事実の誤認、歴史的知識の欠如など、様々な間違いが指摘されています。

意図的に歪曲された写真の数々

『ザ・レイプ・オブ・南京』には、単なる写真選定のミスを越えた、意図的な歪曲が散見されます。例えば、日本軍による慰安婦強制連行を写したとされる写真。『アサヒグラフ』に掲載された「日本兵の護衛のもとで部落に帰る地元民」の写真を不鮮明にし、笑顔を見えないようにしたり、「日本軍は、何千という女たちを家畜のように追い立てた。彼女たちの多くは集団強姦されるか、軍用売春を強制された」といった虚偽の説明を添えたりすることで、事実と異なる印象を生み出しています。また、南京の民家を焼く戦車として掲載されている写真も、南京攻略時には製造されていないもののため、当時撮影されたものではないことが明白です。

反日宣伝工作として書かれたという事実

この書籍発刊に関わっていた団体として、世界最大の反日華人ネットワークである「世界抗日戦争史実維護連合会」にはじまり、中国政府のシンクタンクである「中国社会科学院歴史研究所」、台湾の日刊新聞である「中国時報」などが挙げられます。その全面バックアップを受けており、「アイリス・チャンが書いたわけではない」と、近現代史研究家の水間政憲(みずままさのり)氏は話します。『ザ・レイプ・オブ・南京』は中国の国家レベルでの反日宣伝工作だったと言えるでしょう。

アメリカも関与していたという驚きの証言

また、国際的に活躍するある人物による以下のような証言があります。1998年7月ワシントンで、ホワイトハウスに勤める中国系アメリカ人が「1995年、戦後50年を前に、我々はアメリカの原爆投下を非難する国際的な動きが起きることを懸念していた」「そこで、前もって何らかの中和剤を用意しておこうということになった」と話していたというのです。
アメリカが日本の残虐性を印象付けるために最初に仕掛けたのは、日本軍の米軍捕虜虐待を告発するキャンペーンでしたが、これは不発に終わります。そして次に仕掛けたのがアイリス・チャンによる『ザ・レイプ・オブ・南京』でした。

アイリス・チャンは自殺ではなく他殺だった!?

書籍発刊から7年後の2004年、著者アイリス・チャンは謎の死を遂げます。彼女の死について、ノイローゼになって自殺したという説が現在有力視されていますが、水間氏は他殺の可能性も指摘しています。同氏はその理由として、アイリス氏自身が『ザ・レイプ・オブ・南京』について感じた不可解さ、写真の裏付け不十分な点等を暴露すれば、中国のメンツがつぶれる可能性があった点を指摘しています。
また、死の直前に彼女が残したメモには「私は、自分が想像を超えた巨大な力によって取り立てられ、その後、迫害されたという考えを打ち消すことができません。それが、CIAなのか、他の組織なのかはわかりません。しかし、私が生きている限り、彼らは私を追いかけてくるのです」とあります。

原爆投下への非難を避けたいアメリカ

上記のように、『ザ・レイプ・オブ・南京』ベストセラーの裏に、「原爆投下への非難を避けたい」というアメリカ政府の思惑がありました。それを裏付けるかのような事件が1995年ワシントンで起きていました。

スミソニアンの原爆展企画が中止に

スミソニアン航空宇宙博物館には、広島に原爆を投下した爆撃機エノラ・ゲイが展示されています。1995年、戦後50周年を記念して、このエノラ・ゲイを中心に据えた「原爆展」を企画。しかし、全米から批判が殺到し、原爆展は中止となり、責任をとるかたちで館長は辞任となりました。
幸福実現党外務局長の及川幸久氏は、原爆展中止についての著作があるジャーナリストのフィリップ・ノビーレ氏に話を聞きました。同氏によると、スミソニアン博物館の学芸員は原爆展向けに「道義に反するのでは?」「日本に事前警告すべきだったのでは?」といった批判的な問いかけを用意していましたが、このような問いかけ自体が大問題になったとのことです。なぜなら、アメリカの支配層の常識が「アメリカは常に正しく間違わない」「日本人は悪いことをしたんだから大量に殺されても当然だ」「(原爆が米兵の)命を救ったんだ」というものだからです。

アメリカの支配者層による圧力

ノビーレ氏によると、アメリカ大統領ビル・クリントン、副大統領アル・ゴア、当時の米下院議長であり前大統領候補のニュート・ギングリッチ、そして最高裁長官といったアメリカの支配者層がこの原爆展を中止に追い込んだとのことです。これは「まさに犯罪的な検閲」で、「アメリカの恥」だと意見を述べています。さらにクリントン大統領は、同じ年に改めてトルーマン大統領の原爆投下の決定を肯定する声明を発表しました。当時のトルーマン大統領が行った原爆投下の正当性を肯定することが、69年にわたって守り続けられたアメリカの政治的信条となっており、これに疑問を挟むのは知的な反逆とみなされるのです。

原爆投下の正当化は”歴史上最大の嘘”のひとつ!?

トルーマンが原爆投下を決定した理由として、「原爆投下によって戦争を終わらせなければ米軍兵士100万人の命が失われていた」という説が挙げられていますが、ノビーレ氏によると、これは歴史上最大の嘘の一つだと語ります。また、その説はすでに学会でも否定されているとのことです。「原爆投下は必要なかった」という主張はアメリカの学会では主流で、「広島と長崎への原爆投下が道義的・軍事的に必要だった」という説を今も守っている歴史書や歴史学者は存在しないといいます。ある歴史学者が丹念に資料を調査し、発見した試算によれば、米軍が原爆を投下せず日本上陸をした場合の死傷者は6万3千人。100万人には遠く及びません。

アメリカにより断罪された東京裁判の裏側

実は「南京大虐殺」と「原爆投下」が関連して語られたのは、この時が初めてではありませんでした。敗戦後の1946年2月から始まった東京裁判。この裁判で南京事件はナチスドイツのホロコースト、ユダヤ人虐殺と並ぶ市民の大虐殺として断罪されます。

仕立て上げられた”大虐殺”

この理由を立命館大学特別任用教授の北村稔氏は、日本が住民虐殺をやったという証拠はどこにもないことに困った連合国が、ナチスドイツのホロコーストに似た事件を求め、当時の南京の混乱を大虐殺に仕立て上げてしまったと説明します。
中国国民党の宣伝工作によって生み出されたこの”南京事件”は、連合国によって東京裁判で日本を裁くために利用され、30万人の大虐殺へと変貌していきました。この大虐殺が作り出された大きな要因が原爆だったのです。

同程度の犠牲者数で責任を相殺?

近現代史研究家の水間氏によると、数十万の罪のない市民が亡くなるのだから、原爆投下は判定するまでもなく戦時国際法違反であり、これが東京裁判が始まる前からアメリカのトラウマになっていたとのことです。この責任を相殺するため、日本が「南京大虐殺」を行ったという話が作られたのです。同氏は広島・長崎の犠牲者数と、南京大虐殺の犠牲者数が非常に近い点を指摘します。「南京で日本軍はこんなヒドイことをやったんだから、原爆がヒドイと言う権利はない』と言えるように、アメリカ側が事件を利用したのです。

東京裁判における”アメリカの保身”とは

また、ノビーレ氏もアメリカが東京裁判で南京事件を持ち出した理由が原爆の罪を相殺するためだと考える人がいる点について、納得しています。加えて、アメリカの行った都市空爆が非難されることを怖れ、東京裁判においては都市空襲で裁かれた将校が一人もいなかったことを指摘しました。さらに、「アメリカは自分たちを守るために平気で敵国の罪を利用してあざ笑っていたのだ」と語ってくれたのです。

利用されたアイリス・チャンの胸中

東京裁判が生み出した「南京大虐殺」の虚構はこれからも利用され続けるのでしょうか。2014年6月12日、幸福の科学総合本部で『ザ・レイプ・オブ・南京』の著者アイリス・チャンの霊言が行われました。謎の死から10年、『ザ・レイプ・オブ・南京』を書いたことへの後悔と謝罪が語られました。

大川隆法著 霊言『天に誓って「南京大虐殺」はあったのか 『ザ・レイプ・オブ・南京』著者 アイリス・チャンの霊言』より

戦争ですから、人が死ぬことはあると思いますけれども、そういうふうに全部を、何かの目的のために利用して、宣伝に使われていくということは、ジャーナリストとしての良心に反する部分はあるので、どうか私の本を反日・抗日、あるいは中国の覇権を正当化するために使うのはやめていただきたい。

まさかこんな本一冊で、そんなに大きな影響が出るとは思ってなかったので、本当に申し訳ないです。ジャーナリストとして成功したいという野心のところが、こんな風になったということは申し訳ない。

許してください。ごめんなさい、利用されたんです。若くて分からなくて、すいません。

『天に誓って「南京大虐殺」はあったのか 『ザ・レイプ・オブ・南京』著者 アイリス・チャンの霊言』は全国の書店をはじめ、Amazonなどでお求めいただけます。

来年2015年、戦後70周年を迎えるにあたり、同じような反日キャンペーンの動きがみられます。アメリカではアンジェリーナ・ジョリーが監督する日本軍による捕虜虐待映画、中国では南京大虐殺や従軍慰安婦の資料を世界記憶遺産に登録しようとする動きがあります。今、私たちがやるべきことは、歴史を検証し「事実」を世界に訴えていくことです。それを通じ、日本の誇りを取り戻さねばなりません。