戦後70周年を目前に「従軍慰安婦」が話題を集めています。しかし、その背景となった日韓併合についての真実を明かすことなく、慰安婦問題を根本的に解決することはできません。そこで今回、ザ・ファクトは、日韓併合時代を検証します。

朝日新聞社が「従軍慰安婦」報道の誤りを認めた

2014年8月5日、6日、朝日新聞は「従軍慰安婦」に関する自社報道を検証する特集記事を掲載。これまでの慰安婦報道に誤りがあることを認めました。

「従軍慰安婦」とは日韓併合時代に日本が暴虐を行ったとされる象徴

「従軍慰安婦」は「日韓併合時代が暗黒時代であった」ということの象徴になっています。これは、パク・クネ大統領が2013年3月1日に「三・一独立運動」を記念する式典で述べた「加害者と被害者の立場は『千年の歴史が流れても変わらない』」という言葉にも顕著に表れています。また、韓国系団体の働きかけによって、全米各地に慰安婦碑や慰安婦像が建設されており、アメリカをはじめとする国々で謝罪要求決議がなされてもいます。

日本軍による慰安婦の強制連行は虚構だったと判明

朝日新聞は2日間にわたる慰安婦特集のなかで「軍の命令で200人の女性を拉致して慰安婦にした」という吉田清治の証言が嘘であったこと、台湾や朝鮮においてさえ強制連行の証拠が一切見つかっていないことを認めました。つまり、日本軍による慰安婦の強制連行は虚構だったのです。

調査報道をしていなかった事実判明は戦後歴史の転換点に

さらに近現代史研究家の水間政憲(みずままさのり)氏は今回の特集について、「(朝日新聞が該当記事を)調査報道のうえで書いていなかったと認めた」ことを意味すると指摘します。同氏は、「これは朝日新聞一社の問題でなく、戦後日本の歴史の大転換期の分岐点になると思う」とコメント。加えて吉田清治の証言について、「終戦時の朝鮮半島の一般警察官のおよそ半数が朝鮮人、裁判官や知事のほとんどが朝鮮人であるという行政体制の中で日本人が強制連行をできたとしたら、ほとんど『神業』です。その点でも吉田清治の証言はありえない」とも話しました。

日韓併合時代は暗黒期ではなく、豊かに繁栄した時代だった

日韓併合時代とは、1910(明治43)年~1945(昭和20)年のおよそ35年間、日本が欧米諸国の支持のもと条約に基づいて大韓帝国を併合した時代を指します。当時の様子を証明するものとして、数多くの写真等が残っています。

日韓併合時代が暗黒期だという教育を受けた人が事実を知って驚く

東亜大学教授・広島大学名誉教授のチェ・キルソン氏は、当時の映像を見たときの衝撃を語ります。いざ日本時代の映像を研究していると、繁華街や百貨店があり、喫茶店で市民がコーヒーやビールを飲んでいる姿などが見られ、大いに驚いたそうです。その時代にこれほど豊かな生活をしていたのか、実際にはこのような歴史があったのだ、と改めて考えたとのことです。

日韓併合時代に日本が行ったこと(1) 多額の財政投入

本来、植民地というものは搾取されるものという位置づけです。しかし、日本が朝鮮を実質的な植民地とみなし搾取をしていたのかといえば、むしろ日本から朝鮮半島に血税が投入されていました。こうした財政補填がなかったのは、保護国の時代から40年間でわずか1年、昭和8年のときだけです。また水間氏が驚いたことに、昭和10年代、日本が日支事変以降、経済的に困窮し耐乏生活に追い込まれる流れに入っていった一方で、韓国では多数の学校が建設され、5千キロ以上の鉄道もつくられ、豊かな生活を送っていたのです。

日韓併合時代に日本が行ったこと(2) インフラの整備・所得増加政策

チェ氏は、日本が朝鮮に近代的なインフラ・建物等を数多く建築したり、稲の品種改良によって寒冷地でも稲作農業ができるようにしたり、経済政策を成功させていったと話します。寒冷な北部でもコメがたくさんとれるようになったという恩恵もあるのです。

日韓併合時代に日本が行ったこと(3) 教育制度の確立

また、チェ氏は「学校教育では日本語で朝鮮語を抹殺したように言われているが、日本の教育政策で朝鮮半島が近代的な教育システムになってきたことは高く評価されてもいい」とも評価しています。

日韓併合時代に日本が行ったこと(4) 階級差別の撤廃

台湾出身の評論家である黄文雄(コウ・ブンユウ)氏は、日本の当時の朝鮮総督府はそれまでの制度を変えて「万民平等」を実現し、近代法をつくったと話します。同氏は、李朝時代の階級制度の撤廃は大したもので、リンカーンのおよそ数百倍に匹敵するほどの奴隷解放を実質的に行ったと評価しています。「(一部から)名前を奪った」といわれている創氏改名についても、もともと奴隷階級には苗字がなく、また女性にいたっては名前もなかった環境下で、むしろ名前を与える行為だったと説明します。創氏改名により人口にして半分ほどの人々に苗字・名前が与えられたのであり、朝鮮の長い歴史のなかで最大の貢献であると同氏は語ります。

日本の統治は優良で、行政手腕のみならず民衆の文化的経済的発展も叶った

植民地研究の第一人者、アレン・アイルランドが1926年当時記した著書には次のような記述があります。「今日の朝鮮は李王朝時代とは比べ物にならないくらい良く統治されており、また他の多くの独立国と比較してもその統治は優れている。政府の行政手腕のみならず、民衆の文化的経済的発展においても優れているのである」。

日韓併合こそが韓国近代化の基礎をつくったのです。

朝鮮を近代化し、経済発展させてきた日本が批判され続けている

日本が朝鮮を近代化し、経済発展させてきたことはまぎれもない事実です。しかし、戦前の日本の統治は批判され続けてきました。

日韓併合を経験した年代は親日的で、教育・メディアの影響を受けた子供が反日化

チェ氏は80年代に韓国人に日本についての意識調査を行いました。その調査によると、日本の植民地を経験した年齢層の人は「日本はいい国だ」と言っていたそうです。政府がいくら反日的なことを言っても、自分たちの経験以上に強く心を動かすものはなく、日本時代に自分たちが出会った日本人は決して悪くないと確信していたといいます。しかし、調査対象の年齢を下げていき、小学生になると「日本は悪い国」だという回答が増えたそうです。日韓併合時代をまったく経験していない子供に反日感情が最も強く出る結果に。小学生が日本人を嫌うのは、結局、学校の教育やメディアによってそうされたのであろうと同氏は語ります。

日韓併合時代を肯定的に評価しただけでひどいバッシングを受ける韓国の内情

韓国では日韓併合時代を肯定的に評価しただけで、国内から激しいバッシングを受け、ひどいときには社会的に抹殺されます。例えばソウル大学のイ・ヨンフン教授は強制連行を否定したため、元慰安婦の前で土下座をさせられました。2014年6月、首相候補だったムン・チャングク氏が「日本の植民地支配は神の意志である」と発言したことが原因で、激しい批判を浴び、首相指名の辞退を余儀なくされました。

大韓民国建国の理念に「反日」が組み込まれているという不条理

韓国がこれほどまでに日韓併合時代を否定する理由について、チェ氏は「これは戦後の韓国のアイデンティティというか、政治レベルの話だ」といいます。戦後の大韓民国をつくるときに2つの理念として、ひとつは共産党に対する「反共」、もうひとつは「反日」を立てたのです。戦後韓国で言われる植民地(日韓併合時代)は「絶対悪」。事実は事実であっても日韓併合時代を肯定的に評価することはできないのです。
これについて黄氏も、韓国が反日なのは政治的理由が多いと分析しています。韓国の歴代大統領は任期が終わると、汚職問題等で粛清されるため、生き残るために反日パフォーマンスをやらざるをえないのです。

日本と韓国の関係をどう考えるべきか

東アジアの平和と繁栄のためには、日本と韓国が愛しあい、生かしあい、許しあう関係を築くことが大切です。ただ、そのために事実がねじ曲げられていいわけではありません。過去の事実を認めたうえに日韓関係の未来を築くことが求められています。

大川隆法「智慧の挑戦」より

現在、私たちは日本という国をホームベースとしてこの真理の活動を行っておりますが、日本というホームベースに立っているがゆえに、この日本を敵視する国も存在します。私は、考え方に違いがあることは構わないと思います。お互いに相手の非を改めようとする努力は貴重なことだと思います。日本人に一片の悪いこともなかったとは考えてはおりません。しかしながら「過去の日本人がどのような生き方をしてきたか」ということは、「結果として現在の私たちがどのような生き方をしているか」というその果実で判断されるべきであると思うんです。みなさまがたの心が、世界の人々の幸福を願い、日本に住む人々をあるいは憎み、あるいは「千年間許さない」と言っている国の人たちに対しても、愛する・許す力を出すことができるのであるならば、みなさんはすでにこの世において勝利したのです。そう断言してよいと私は思います。日本人を千年、これから先憎むなら憎んでもよろしい。しかし、我らはそういう国に対して、二千年許しを与えましょう。

法話「智慧の挑戦」は幸福の科学の精舎・支部にて動画が公開されています。