4月25日に発生し、現時点で7,800人以上の死傷者を出したネパール大地震。発生から2週間たった今でも、現地では救援活動が続いています。

現地の被害状況

現地で救援活動を行っている幸福の科学斎藤忠彦南アジア本部長に、現地の様子を聞きました。以下にその内容をお伝えいたします。

住めなくなった状態の家が非常に多い

最大の問題は、住めなくなった状態の家が非常に多いことだと思います。外から見ればひびが入っているだけでも、中にいるといつ崩れるかわからないという状態の家が非常に多いのです。そのため、多くの方はビニールシートを買って、屋外で寝ています。まもなく雨季になり、蚊が多く発生するので、蚊を媒介とした病気が流行らないように、「蚊帳」の支給や、雨季対策に応じた物資の支援をしていきたいと考えています。

水や電気は徐々に復旧しはじめた

被害が大きかった地域に関しては、水も電気もすべて止まりましたので、数日間は「いつ復旧するのか」という不安感が非常に強かったです。ただ、カトマンズは首都ですので、救援にも相当力が入っていたと思います。だいたい4~5日たった段階で徐々に復旧し始めています。

被害の大きさは場所によってかなり差がある

軒並み建物が90度ぐらいずれているような所ある一方で、ほとんど被害がみられないような場所もあり、極端な差があります。被害の大きかったところとしては、カトマンズ市内の建物が密集している場所や郊外の山間部などです。一帯が全滅した地域もあります。私がいた場所は比較的被害の大きかった地域だったので、全体がそのくらい大きな被害を受けているのかと思ったのですが、数日たって町の中を歩いてみると、被害の大きさにはかなり差があるということがわかりました。

復旧作業や救援活動の状況

被害が大きくネパール一国だけでは対応しきれない

今回の震災の大きさでは、ネパール軍や警察のトータルの力量を考えると、ネパール一国だけでは対応しきれないと思います。ネパール政府は非常事態宣言を出し、いろいろな国に支援を要請しました。インドと中国が一足早くやってきて、重機を持ち込んで各地で作業をしていると聞いています。ただ、私の周辺に関しては重機の到着がかなり遅れていたので、72時間以内に必要な救援がなされたかということについては、かなり遅れたのではないかという実感を持っています。

地方は崖崩れなどで物資の支給が難航

昨日、ヒマラヤ地域に行ってきましたが、行き帰りの道中に崖崩れがあり、中国軍がショベルカーで土砂をどけていました。こういったことが日常茶飯事に起きているので、物資の供給は十分に行き届いていない状況だと思います。地震によって井戸の水が汚れてしまったケースが多く、それをそのまま飲むと病気になって、疫病が流行るという悪循環になるそうなので、私たちとしてはミネラルウォーターの供給を第一に考えていました。

ネパールの立て直しに日本人ができること

ネパールの高官が耐震性の強い建物の供給を日本政府に依頼したという報道もあります。ネパールという国は経済的にあまり豊かな国ではないので、他の国に比べて、日本企業等の進出があまりありません。ネパールは大の親日国で、日本を訪れる人も非常に多いので、経済面も含めた国同士の交流を深めるとよいのではないでしょうか。日本のよいところをどんどん吸収し、国として再建されるのがベストだと思います。それからネパール人は人柄も良く、やる気も十分あるのですが、経済力の不足が最大のネックです。今回の震災で家を失った方、仕事を失った方が多くいます。日本からの経済的な支援をいただければ、その分感謝し、また頑張っていくのがネパール国民だと思います。どうか引き続きのご支援をよろしくお願い申し上げます。

レポーターのいる幸福の科学グループでの救援活動

斎藤氏をはじめ、幸福の科学グループでは、地元ネパール支部、およびインド近隣のスタッフが現地入りして救援活動を行っています。

幸福の科学のネパール支部は避難所として誰でも受け入れている

私たちは信者であるかどうかに関わらず、SOSが入れば基本的にはお手伝いするという方針で動いています。幸いにも幸福の科学のネパール支部は倒壊を免れ、避難所として、今、どなたでも受け入れる形をとっています。それから、ミネラルウォーターとスナックの供給、これは最低限の水と栄養補給で命を守るという趣旨で配給をしています。それから、同じ物を食べても心は潤いませんので、炊き出しということで、ネパールの代表的な家庭料理の支給もしています。

現地に根付いた密着型の支援活動ができる

世界中から多くのNGOなどの団体や国連などが支援活動をしています。その中で、幸福の科学の活動の特徴は、信者が非常に多い地域でもありますので、ニーズを聞いてそれに応えることができるという意味で、密着型の支援活動ができることです。現地に支部が建っていますので、ずっとこの地に居続け、この地域を発展させ続けるという意思があります。途中であきらめないという基本姿勢が第一の特徴です。

世界宗教的なネットワークで支援の届きにくい所をカバー

また、他の団体の支援は各国ごとにバラバラで行われている支援なのですが、幸福の科学はインド支部との連携によって物資の輸送が可能になっています。資金面に関しても、全世界の支部から資金提供の申し出があったり、そういう意味では世界宗教的なネットワークによる救済という形が、いま可能になりつつあるのではないかというのが私の実感です。郊外では、主に信者さんルートで入ってくる情報に基づいて、テントが足らないとか、物資支援を求められた地域に関しては、他のNGOや国連と同様に山間部に入って物資の支援をしています。(談:斎藤忠彦)

HSネルソン・マンデラ基金

ネパール大地震緊急支援について、幸福の科学国際広報局の原口知登世さんから説明していただきます。

「幸福の科学では、世界中の貧困や差別で苦しむ人たちの支援を目的として、HSネルソン・マンデラ基金を行っています。今回のネパール支援もその一環です。東日本大震災の時に、ネパールは心のこもった支援を日本にしてくださいました。その恩返しだと思っており、すぐに支援を始めました。幸福の科学グループは世界中に広がるネットワークをもっているので、地震が起きた直後、インドから最初の物資を届けることができました。政府や他の外国の救助隊が入れない所まで、信者のネットワークを通じて届けることができました。支援が届きにくい場所にまできちんと支援が届く、それが幸福の科学の支援活動の特色です」

ぜひ緊急支援への皆様へのご協力をお願いいたします。