いじめによる自殺、学校によるいじめの隠蔽が
社会問題となっている現代の日本。
そんな中、いじめ相談や講演会などを中心に
いじめ根絶のために活動を続ける団体がある。
「いじめから子供を守ろうネットワーク」。
代表を務める井澤一明氏は、
2007年の設立以来、
寄せられた5000件を超えるいじめ相談の
9割を解決に導いてきた。
今回のTHE FACTは、いじめ解決の秘策に迫る。

スタジオ

「いじめから子供を守ろうネットワーク」とは

HP

(「いじめから子供を守ろうネットワーク」ホームページ)http://mamoro.org/

報道実績2

(井澤代表の活動は新聞やテレビなどでも多く取り上げられている)

里村 さて早速ですけれども、
こちらが「いじめから子供を守ろうネットワーク」のポスターです。
随分、いろんな場所に貼ってあるんですね。

ポスター

井澤 全国で約1万3千校の学校に貼らせていただいてまして、
小中学校で限りますと約4割の学校では一度は貼っていただいている状況です。

里村 2校に1校に近くの学校に貼られているということですね。

井澤 そうですね。

里村 「いじめから子供を守ろうネットワーク」には
いままで5000件を超えるいじめ相談があったということで、
この数字に驚くんですけど、
何人ぐらいで相談に対して対応してるんですか?

井澤 中心になるのは3人なんですけど、
全国でご自身の携帯番号をネットに公開して、
相談を受けてくださってる方がいらっしゃるんですね。
うちの実際のいじめの相談について、
ある学者の先生は「日本一」だろうといってくださる方もいらっしゃいまして。
それは実際に文部科学省のやってるいじめの相談電話だとか、
法務省のいじめ110番なんかがございますよね。
そういったところにかけた保護者の方からのお話しを聞くと、
実際電話をしても、いじめの解決をしようとしてくれるわけではなくて、
話を聞くっていうのが主なスタンスなんですね。
うちは何が違うかというと、結局解決するまであきらめないっていうことです。
実際にいじめ解決に学校に動いていただくまでやっていくと。

里村 「電話相談室」みたいなレベルでは全然ないわけですね。

井澤 そうですね。ですから一回の相談でですね、
もう二回、三回で終わるということはありませんで、
十回、二十回やり取りを繰り返しながらやっていく感じですよね。

現代のいじめの実態① 仲間はずれ

いじめはどのようにして行われるのか。
今回、番組では実際にいじめを体験した2人の方に話を聞いた。

Aさんは、中学1年のとき、いじめのターゲットになった。
軽い気持ちで友人の悪口を言ったことが、本人に伝わったのだ。

Aさん


Aさん

最初はいじめじゃなかったんですけど、
ハブる(仲間はずれにする)みたいな。
誰とも私としゃべらないでっていう感じでハブり始めて。

給食もわたしだけ孤立させて離れて食べるみたいな感じで。
周りを巻き込むような感じでいじめは始まりましたね。

無視って言うか、とりあえず邪魔者扱いっていうか。
「え、なんで?よく来れたね」みたいな感じですよね、視線は。

私がガラッと開けて教室へ入ると、コソコソ話はじめて、
席に付くまでずっと見てるんですよ。

最初は友だちもいたんですけど、
だんだん自分もそういう(いじめられている)仲間になっちゃうのがいやなのかなと思って、
話かけてこなくなりました。

A再現02

結局Aさんは、いじめが原因で不登校になり、
中学校生活をフリースクールで過ごしたという。

現代のいじめの実態② リンチ

次の体験談は、井澤代表の助言によって、いじめが解決した事例である。

Bさんの長女Cさんは、中学3年のとき、
同級生から暴力によるいじめを受けるようになった。
母親のBさんに話を聞いた。

Bさん


Bさん

生徒があんまり使わないトイレに連れてって、
そこで10何発だったか、殴る蹴るして。
そこに保健体育の先生が、なんかガチャガチャやってるので「何やってるの?」って入ってきて、

「何やってんの?問題を起こすなら校門の外でやりなさい」
って怒ったそうです。

今度、校門の外へ連れてって、校門出たところで、殴る蹴るを一時間半くらいされてたそうです。
娘はそこにしゃがみこんで頭を殴られないように両手でかばっていたのを、
主犯の子が主に殴っていたそうなんですけど。

数日後、朝のホームルームの後、担任が娘と主犯格の子を二人ちょっと来なさいって廊下に呼んで、
「握手しなさい」と言ったそうです。
で「これで全部終わりね」って言って、
それで終わりにしたそうです。

ijime

再現03

学校の対応にあきれたBさんは、井澤代表に電話で相談。
井澤代表の助言を受けて教育委員会へ連絡した。

すると数時間後、
校長からBさんに電話があり、
「夕方、校長室に来てほしい」という連絡を受けた。

Bさんはすぐさま学校へ赴き、いじめの事実を訴えた。
学校側は最後までいじめがあったことを認めなかったが、
事件を公にしたことをきっかけに、加害者グループが謝罪。
それ以来、娘のCさんはいじめを受けなくなったという。


Bさん

無事に娘も学校に行けて、受験もうまく行って卒業して今も元気に学生やってますけども、
それができたのはやっぱり、事件があってすぐにいじまもの井澤代表に電話して、
助言をいただいたのが一番のターニングポイントだったと思います。

Cさんはいまでも、
井澤代表に感謝しているという。

解決率9割のいじめ解決法

「いじめから子供を守ろうネットワーク」が独自に開発したいじめ解決法は
7つのプロセスからなる。

解決法

1.いじめの兆候を発見する

いじめ解決の第一歩は、
親が子供のいじめの兆候を発見することから始まる。
「家に帰ってくるなり部屋に閉じこもって泣いている」、
「朝、頭が痛いと言って学校をよく休む」という状況から調べたら、
「いじめられている」ことがわかったという事例もあったという。
こうした兆候を見逃さないことが、
最悪の事態を防ぐことにもなるのだ。

2.「私が守る」

いじめの兆候を発見したら、
次に親として考えなければならないのは、「私が守る」と決心すること。
「わたしなんかが校長先生に、こんなにいじめられてますって言っていいんですか」という保護者も多いが、
まず子供を守るためには親としては、なりふり構わないっていう決意をする必要がある。
井澤氏によると、
子供に親としての姿勢を見せてあげないと、子供が今度親を信用しなくなるのだという。
そういう意味でも、まずはこの決意、決心ということが必要なのだ。

3.いじめの被害事実を記録する

次に、具体的に学校に対していじめを辞めさせてもらう手段として、
どういったことがあったのかを明確にする、いじめの被害事実を記録する。
「いじめから子供を守ろうネットワーク」では、近年
学校にICレコーダーを持っていって録音することを推奨している。

4.いじめの事実を訴え、担任に相談

意識が高い教師であれば、この段階で大体解決するが、
中には、「それはいじめではありません」とか、
「私はいじめを見ておりませんので」という教師も多いという。
この、担任の段階で埒が明かない場合、
次に、校長に相談することになる。

5.校長を交えて相談

担任に相談しても解決しない場合、校長に相談するのであるが、
井澤氏の経験、担任がいじめを認めない場合は、大抵の場合、校長も認めないケースが多いという。
その場合、教育委員会や警察、マスコミなどの外部機関に訴えるという方法を勧める場合もある。

6.加害者に謝罪させる

大人が思っているよりも、謝罪には大きな効果があると井澤氏は言う。
実際、いじめられている子が、被害者の子が謝ってくれたことで、
一年間不登校だった子が、次の日から学校にいけるようになったというケースもあったという。

7.学校に再発防止策を作成してもらう

最後に、謝罪させるだけでなく、このようないじめが二度と起こらないよう、
学校側に再発防止策を作成してもらうことが重要である。

この一連のプロセスによって、
「いじめから子供を守ろうネットワーク」は
9割のいじめを解決してきたのである。

いじめ解決法によっていじめがなくなった!

実際にこの方法によって9割のいじめが解決している。
いじめから子供を守ろうネットワーク
いじめ相談員の長田宜子氏に話を聞いた

長田さん

長田氏が相談を受けた事例は、被害者のお母さんが
「いじめから子供を守ろうネットワーク」のホームページに記載されている、
長田氏の携帯電話番号を見て、直接電話をしたことから始まった。

そのいじめ事件は、先生の目のつきにくいトイレなどで下着を脱がすというものであった。

そのお母さんは、切羽詰った状況で、
「明日、(教員と)学校で話し合いがあるんだけどもついてきてくれませんか」と切り出した。

長田氏はまず、解決プロセスに従って、
いじめの事実を細かく記録した書類を提出。
そして保護者と一緒に学校へ乗り込み、
担任と校長に訴えたのである。

被害事実寄り

「いじめから子供を守ろうネットワーク」が公開している被害事実報告書の記入例

その結果、学校側はいじめを認め、
加害者から被害者に対し謝罪するよう指導。
さらに、再発防止に力を入れるようになったという。

いじめ解決法でいじめをなくすことができる!

里村 実際にこのいじめ解決のプロセスで、解決が進んでるわけですね。

井澤 そうですね、あの冒頭あの私たちいじめの解決5000件以上って話もありましたけれども、
実際、この方法で9割がたいじめは解決できるんです。
基本的にいじめの解決、結局は加害者のいじめを辞めれば解決するんです、。
本当に加害者をちゃんと叱ることができれば、加害者が納得すれば一日で終わるんですよ。
だからいじめは一日で解決できるってことをですね、多くの人に知っていただければなと思っています。

里村 さて最後に改めて、いじめをなくすためにはどうしたらいいのか?

井澤 今の子供たちって、いじめをする動悸が面白いからって言うのが80%くらいあるそうです。
こんな異常な世界ですから、その中でいじめられている子供たちが、
なかなか親にも言えないし、先生にも言えない、友達にも知られたくない、
でもそれではずっと変わらないんだって事なんですよ。ずっといじめられ続けんるんだと、
そんな思いを私たちはさせたくないですし、
ですから子供たち、あるいはいじめられている子を抱えている保護者の方々、
ぜひともうちに相談いただきたいと思います。
実際今まで、これだけ解決してきましたので、絶対お役に立てるアドバイスができると思いますし、
場合によっては一緒に学校行くことだって厭いませんので、
ぜひとも子供たちを守るために是非ご相談いただきたいという風に思っています。

里村 これからも頑張ってください。
今日はありがとうございました。

井澤 ありがとうございました。

いじめにお悩みの方は是非ご相談を

現在、いじめにお悩みのお子さん、保護者の方は、
是非、「いじめから子供を守ろうネットワーク」の相談窓口にご連絡ください。

電話 03-5544-8989/03-5719-2170
メール kodomo@mamoro.org(東京事務局)
HP http://mamoro.org/

こちらもお読みください

いじめ事件ファイル①「女子中学生集団リンチ事件」
https://thefact.jp/2016/1427/

外で殴る蹴る

いじめ事件ファイル②「担任が小学生に土下座を強要」
https://thefact.jp/2016/1500/

校舎

いじめ事件ファイル③「いじめを誘発する担任教師」
https://thefact.jp/2016/1509/

kaiketu_tejun2

いじめ事件ファイル④「仲間外れから始まった集団いじめ」
https://thefact.jp/2016/1543/

にらむ