海兵隊外交政策部次長だったロバート・エルドリッジ氏は、東日本大震災のときに米軍による救援活動「トモダチ作戦」を発案した親日家であり、これまで日米の架け橋として活躍してきました。

監視カメラの映像流出により更迭されてしまった元海兵隊幹部

2月22日、沖縄のキャンプ・シュワブゲート前で、辺野古基地移設反対運動のリーダーの男性が境界線を越えて基地に侵入し、逮捕される事件が起きました。男性は当初、「境界線は越えていない」と主張していましたが、エルドリッジ氏は、知人を通じて監視カメラの映像をネット上に公開。これにより、男性が境界線を越えていた事実が明らかとなったのです。米軍はこの映像流出の責任を重く見て、エルドリッジ氏を更迭してしまいました。

映像を公開した理由(1) 「不当拘束」との誤解を避けるため

映像を公開した理由について、同氏は「事実を明らかにするために提供させていただきました」「正しいことに基づいて判断し、行動する必要があります」「あの映像を出さなければ、結局は『不当拘束』ということにされて終わってしまっていたと思います」と話しています。

映像を公開した理由(2) 政府の前に事実を明らかにするため

さらに同氏は「実際に、県内の議会が事実を知らずに決議したり、県選出の国会議員が政治的圧力を名護の警察署や政府にかけたりしていた」ことを明かしました。そして、特にそれを象徴したのが3月3日の予算委員会だと述べます。「政府がきちんと答弁できなかったのは残念ですが、政府は何があったのか知らなかったために答弁ができなかった可能性もあります。私が映像を提供し、彼らが自分の目で確かめることによって、おそらく初めてわかるようになるのではないでしょうか」と話しています。

映像を公開した理由(3) 日本人警備員の名誉を回復するため

加えて、日本人の警備員の名誉についても挙げられました。
「警備員がものすごい嫌がらせを受けたり、批判されたりということもあったのです。海兵隊という組織に対しても批判があったり、大きな意味でアメリカ政府も批判されていたので、その名誉の回復のために、今回映像を提供させていただきました」

プロ市民・反対運動家と地元メディアの実態を知る

沖縄に海兵隊として来てから日本への見方が変わったと言います。特に、いわゆる革新系、あるいはプロ市民・反対運動家の非常に汚いやり方には、驚きを禁じ得ないようでした。

偏向報道の連続で客観的なメディアがない沖縄

同氏は、地元メディアがいかに偏向報道をしているかを毎日のように見てきたと言います。そして今回の事件に関しても「(映像を見れば)反対運動家は組織的に動いていたと感じられる」と断言。事件当時、まわりの人たちがどんどん入ってきています。そして地元メディアは最初から最後までその現場にいて、ことの顛末をすべて知っているはずでしたが、報道内容にはトリミングがかけられ、彼らにとって都合の悪いことは一切カットされていたのです。「沖縄では客観的な報道がありません。そのことが、いわゆる沖縄問題を複雑にさせてしまっている」と同氏は指摘します。本来ならば、メディアは中立・建設的な役割を担って市民の教育をすべきではないでしょうか。そうでなければ民主主義は成り立ちません。

隊員が人命救助したニュースは伝えられなかった

沖縄では琉球新報と沖縄タイムスという2紙の新聞が非常に偏った報道をしています。
「昨年12月、ある隊員が地元の方の人命救助をしました。地元メディアがきちんと報道するかどうか、一つの事例として検証しましたが、やはり紹介していませんでした。紹介するチャンスは5回ほどあったのです。メディアには、『これを紹介しなければならない』という義務はありませんが、あれほど批判しているのに、良いことは紹介しないというのでは、バランスのとれない報道になってしまいます」
異なる意見さえ掲載されない新聞は、もはやメディアとしての使命を果たしていない、機関誌のようなものだといえます。

沖縄の基地の重要性について

沖縄の海兵隊は災害支援などを行っている

海兵隊の機能について、朝日新聞の雑誌「AERA」に「今の沖縄の海兵隊は後方支援や司令部機能のみで、戦略的な抑止力はない」という記事が載るなどしています。しかしここでは、海兵隊がネパール地震の災害支援などで活躍している事実を見落としているといえるでしょう。メディアはこうした功績を取り上げ、沖縄の基地の必要性も唱える必要があるのではないでしょうか。

沖縄に基地があるのがベストである理由

沖縄に基地があれば、朝鮮半島、日本本土、アジア太平洋諸島、そして台湾海峡、東南アジアのどこにでも迅速に駆けつけることができます。基地の場所について沖縄がベストだと言われているのはそのためです。特にオスプレイを配備することによって、自らの力で展開できるのです。また、創立240年の歴史・伝統・経験をもった海兵隊がそこにいるだけでも抑止力になるといえます。陸・海・空・海兵隊の4軍で対応するので、海兵隊だけを取り出して抑止力について議論するのは間違っています。すべて4軍で対応する。前方展開することによって、早く展開ができる。

日米関係は世界の財産

同氏は「日米関係はお互いのためだけではなく、世界の財産である公共財です。しかし、それが忘れられ、みな自国のことばかりを考えている」と指摘します。そして、自身の考えとして、「日本が思っていることとアメリカが思っていることは、若干違う。違うからこそ、よりいいものができる。その意味で、日米関係は、結婚関係のようなものだ」と述べました。その違う部分をさらに尊敬し、お互いに磨いていくことが重要なのではないでしょうか。

アメリカは世界に責任を持っていて、世界中のいろいろな問題について逃げずにシミュレーションして考える態度がありました。一方日本は、戦後はそういう経験がないというよりは、考えてはいけないと思い込んできました。しかし今、自信と誇りをもって、世界に対し責任を担わなければいけない時期に来ています。