※6月23日、加筆しました。本記事は動画ではカットしたインタビューも掲載しています。

6月18日東京都知事選が告示され、22人が立候補を表明。小池都知事の新型コロナウイルスの対応ではその手腕が評価される一方、入院患者数の水増し報告や都民への行き過ぎた自粛要請の是非が指摘されています。果たして、都知事としての資質は充分といえるのでしょうか。小池氏の素顔に迫った2冊の本と、実話をもとに幸福実現党里村報道局長にインタビューを行いました。

里村さんにインタビューしました

都知事選を前に発刊された2冊の小池都知事に関する書籍

都知事選を前に発刊された2冊の小池都知事に関する書籍

『女帝・小池百合子』石井妙子著/文藝春秋

『築地と豊洲』澤章著/都政新報社

里村英一(以下、里村):新聞・雑誌・書籍中心にいま、小池氏に対して評価が行われています。特に書籍の方ではこの2冊が小池氏の評価という点では、非常に綿密に取材をしている、あるいは当事者でなければ分からない話が出てくるので注目しています。

この『女帝・小池百合子』という本は、石井妙子さんというジャーナリストが綿密な取材をしまして、例えば小池氏の経歴にあるカイロ大学首席卒業などをはじめとする小池氏の様々な言動の問題に迫ったという点で非常に特色があります。

更に、ある意味で私も驚かされる内容があったのが、『築地と豊洲』という本で、あまり大きく扱われてはいませんが、『女帝・小池百合子』以上に小池氏の都知事としての資質がよく読み取れる本です。著者は澤章さんという東京都の幹部職員で豊洲移転の責任者だった方です。そういう方が豊洲移転問題の時に小池氏がどれくらいブレまくったかということを非常に細かく現場にいた人でないとわからないという形で書いた本で、私は『女帝・小池百合子』と『築地と豊洲』、この2冊で小池氏のリーダーとしての資質という点が非常に浮き彫りになってると思いました。

小池都知事の政治手法①~センセーショナルな小池劇場

センセーショナルな言葉を用いて耳目を集める

里村:特にこの「築地と豊洲」を読んで、率直に言って小池都知事のリーダーとしての資質に重大な疑念を持ったというのが私の感想です。小池都知事の仕事のやり方に顕著な特徴があるんですね。一点目として上げられるのは、専門家などの知見、あるいは言葉を使ってマスコミに対してセンセーショナルな言葉を用いて耳目を集めるという、こういう仕事のやり方を小池都知事はされるんですね。
例えば今回の新型コロナウイルス問題に関しても、元々3月の下旬に東京オリンピック・パラリンピックの延期が決まった途端に小池都知事は、このコロナで打って変わって騒ぎ始めて、「ロックダウン」、「オーバーシュート」、「都市封鎖」、「東京アラート」などの極めてセンセーショナルな言葉を使うことでマスコミがワーッと騒ぎ始めて、そしてまた東京都民のみならず、日本国民全体に感染への恐怖が広がって行って、その流れの中で緊急事態宣言を政府が発出するという形でこのコロナ対策が進んでいきました。
もちろん感染を抑えたいという気持ちはあるんでしょうけども、その結果として行き過ぎた感染への恐怖が経済活動を収縮させて実際に営業自粛、それに伴う倒産、失業、あるいは経営苦というものがどんどん出てきて、はっきり言って日本経済の混乱にまだめどが立っていません。

「東京アラート」で真っ赤に染まる都庁ビル。これも小池都知事のパフォーマンスか?

「東京アラート」で真っ赤に染まる都庁ビル。これも小池都知事のパフォーマンスか?

豊洲市場移転問題も政治利用?

里村:実は小池さんはこういうやり方を、「築地と豊洲」の書籍の中でも、同じことをやっていたことがよくわかるんです。その代表事例が豊洲移転です。豊洲移転に関しても豊洲市場の地下の土壌汚染が明らかになりましたが、この時は「ベンゼン」という言葉が使われて、これも連日、ワイドショーを中心に騒ぎが続きました。このベンゼンの土壌汚染については確かに問題があるんですけども、東京都が専門家を集めた会議によれば「しかるべき工事をやれば2か月ほどで安全です」と言ったんだけれども、その専門家を聞いて、小池さんの有名な言葉「安全より安心」という言葉を使いました。つまりそれによってどうなったかというと2か月で済んだ問題を7か月間引っ張ったんです。じゃあ7か月後には何があったか。東京都議会選挙があったんです。そしてその東京都議会選挙で豊洲移転に反対する立場で小池都知事と密接につながっていた都民ファーストの会が圧勝したという出来事がありました。

これを見ると、そうした専門家の言葉や知見を見事に都議会選挙に使っていった。
この豊洲移転の時も結果的に移転が延期されて200億円ほど無駄なお金をつかっています。これ全部都民の税金だと考えると、重大な問題です。

現在の豊洲市場

現在の豊洲市場

現在の築地市場

現在の築地市場

新型コロナ対策も選挙キャンペーンの小池劇場か?

里村:それからコロナの時は、感染症の専門家が仰るコロナへの感染の恐怖、それをどうみても7月5日の都知事選挙投票日に向けて使ったと。となると、私の見方なんですけど、この4~6月の騒ぎというのは、小池さんにとっての選挙キャンペーン、まんまと、あるいは意図的にマスコミは小池劇場に踊らされて、都民もそこに巻き込まれて、小池さんの支持率が上がるっていう、こんなことがあったと言えるんじゃないかと思います。

過去最高の22名が立候補した東京都知事選(7月5日投開票)

過去最高の22名が立候補した東京都知事選(7月5日投開票)

東京都知事選立候補者の詳しい情報はこちら
東京都選挙管理委員会ホームページ

里村:もちろんこれは政治家としては上手だといえば上手なのかもしれませんけれども、それによってたくさんの失業や倒産、経営苦を生み出しています。実際に東京都も貯金が1兆円近くあったものが、いま瞬く間にどんどん使って、500億円を切るところです。
今後例えば、これからの台風シーズンに台風被害や地震等の天変地異があったときにどう対応するのか、心もとない状況になっています。

小池知事の政治手法②~騒ぐだけ騒いであとは知らんぷり

里村:さらに二点目として、「騒ぐだけ騒いで、あとは知らんぷり」こういう特徴が上げられるかと思います。豊洲移転の時は、豊洲への移転を反対する築地の業者さんたち、卸業者や仲卸業者さん、あるいは女将さん会の味方のような顔をして、都議会選挙に向けて票を集めました。しかし実際、都議会選挙が終わった後はあっさりと豊洲移転に移りまして、結果的に未だに女将さん会や築地の関係者は小池都知事に対して「裏切り者」、「騙された」という方が多いんです。

今回のコロナに関してもよく考えると、2~3月の動きとしては、小池都知事は中国に対して感染防止の防護服を東京都民の税金によってストックしてあったものを約33万着送ったと。そしてその後で、「医療崩壊が起きる」ということで営業の自粛を正当化させました。ちょっと33万着も防護服だとか医療器具を送っておいて、後で医療崩壊を言うというのは、私としては矛盾じゃないかなと、理解に苦しむんですけど、この点に関して、小池都知事の医療崩壊を理由にした営業自粛等に応じて、結果的に経営が困難に立ち入った方がどんな思いでいらっしゃるのかということを、思わざるを得ません。

関連動画:このままでは東京崩壊!?緊急事態宣言下の商店街の切実な声【ザ・ファクトREPORT】

東京崩壊サムネイル

小池知事の政治手法③~マスコミを利用して主導権をとる

里村:最後に三点目としては、「マスコミを利用して主導権をとる」これが小池さんの仕事のやり方の特徴です。
コロナに関しても安倍総理が何か発表する前に記者会見を行って、そしてロックダウンとかきつい言葉を使ってどんどん小池劇場に引っ張っていくんです。これが『築地と豊洲』によれば、豊洲移転の時もしばしば見られたと書かれています。とにかく先にマスコミに自分から情報をリークするのです。
一番小池さんのやり方がいかんなく発揮されたのが、2017年に安倍総理が衆議院の解散会見を行うという情報が入った段階で、自らが立ち上げた希望の党の結成会見を、安倍総理の会見より先にぶつけるわけです。さらにその希望の党の結成会見のときに、上野動物園で生まれていたシャンシャンの命名会見をくっつけてるんですね。そうすると政治担当以外の普通のマスコミもドーっと小池さんの会見に来て、シャンシャンの命名を聞いてその後、希望の党の結党会見へと、こうやって安倍さんの解散会見をかすませたという事実があります。その辺、上手いと言えばうまいんだけれども、小池知事のそうした手法によって、たとえば今回コロナにおける小池知事の自粛要請等によって、大きな経済的被害が出ているということは忘れてはならないと思います。

小池街頭ビジョン

実話から見る小池都知事の「女帝」の一面

「圧力」を恐れて関係者が取材を拒否

里村:実際、今回私は小池さんのことを良く知る何人かの方に、お話を聞かせていただきたいと取材依頼をしたのですが、何人かの方が「圧力」という言葉を使って、「取材をやむなく辞退させていただきます」というお返事をいただいたんです。この「圧力」という言葉を使われていたというのは私もショックでしたし、ちょっと小池さんの怖さみたいなものを感じました。

「名刺ビリビリ事件」~小池氏との名刺交換の時に目の前で名刺を破られた

里村:実際に私の知人がある政治家の会合の中で小池さんと会いまして名刺交換をしたんです。そのときに私の知人が小池さんに名刺を渡したら、
小池さんが「あら、あなた、ここの人ね」といって、名刺を目の前でビリビリに破いて捨てたということを10年近く前に聞きました。そうしたらこの書籍、「女帝・小池百合子」の中にも実は、「名刺ビリビリ事件」というのが出てきまして、「あ、こういうことを常にされる方なんだ」と思いました。
いずれにしましても、決して私はこれによってとやかく言うつもりはありませんけれども、私たち有権者はどういう都知事を、あるいは政治家を選ぶか、こういう時に、その方の言っていることのみならず、やっている仕事、さらにその仕事の進め方についても
しっかりウォッチしなければならないと思います。

ザ・ファクトおすすめ動画~こちらもご覧ください

小池都知事が「ダメ」だと言える4つの理由〜これでいいのか豊洲移転!いざ都議会選挙へ【ザ・ファクト】
https://youtu.be/r57ndrp7IR8

小池都知事が「ダメ」だと言える4つの理由

日本の政治とマスコミの偏向報道~ロバート・エルドリッヂ氏×七海ひろこ氏対談【ザ・ファクト×The Liberty】
https://youtu.be/7BksY8GJQeY

日本の政治とマスコミの偏向報道