7月30日、午後7時24分(日本時間同8時24分)に「台湾民主化の父」である李登輝元総統が入院先の病院で逝去。李登輝元総統は、2017年9月26日、台北郊外の私邸「翠山荘」で神への信仰がいかに大事か、そして宗教政党・幸福実現党へのメッセージを語っています。以下、李登輝元総統を追悼し、全文を掲載します。

李登輝元総統_プロフ写真フォーマット(縦)

李 登輝(り・とうき)氏
1923年1月15日 ‐2020年7月30日没
第4代中華民国総統、第7代中華民国副総統
1990年代の民主化移行期に台湾を率い、台湾に自由と民主主義をもたらした。

リーダーに求められる強い「信念」と「信仰心」

「神への信仰」に支えられた李登輝元総統の民主化運動と政治改革

李登輝元総統:私は常々 人間には信仰が不可欠なものだと訴えて来ました。この考えは三十代でキリスト教の洗礼を受けてからというもの微塵も変わってはおりません。特に 台湾総統在任中の十二年間はあらゆる苦難に直面し、頼るべき人もない状況ですがることが出来たのは信仰のみでありました。指導者というものは常に攻撃を受ける対象となります。それゆえに、精神的にも生理的にも様々な問題が生まれる可能性が非常に多くあります。そうした時にこそすがるべき信仰が必要となるのです。私は民主化を進めるため私が政治改革を行った際、困難にぶつかった時に唯一慰めとなったのが、信仰であり神の存在でした。私はキリスト教徒ですが、もちろん信仰は必ずしもキリスト教でなくともよく、何を信じてもよいと思っています。私は信仰すなわちリーダーシップの問題であると考えます。

日本の指導者にも必要な苦難を突破する「信仰の力」

李登輝元総統:例えば、これまでの日本にはリーダーシップを持つ指導者が存在しませんでした。恐らく彼らには信仰がなかったのではないでしょうか。それはつまり、強い信仰を持たなければ、あらゆる問題に恐れを生じ、突破することを躊躇させるからです。指導者の苦難はどこにあるか、理論上では改革が必要なことが明白であっても、実際問題それをいかに実行するか、いつ実行するかが難しい。指導者の信念を支える原動力は信仰にほかならないのです。先ほど申し上げたように、私はクリスチャンですが、聖書の強調する愛と公義の精神が全てであり、神は常に共にあるというのが私の考えでした。信仰については、機械的論理の因果ではなく、人格的感情のセンスが大事であるということです。浅い表面意識や理性の判断よりも、信仰はもっと深い深層意識に発露しなければなりません。私と皆さんをつなぐ精神的つながりは強い信念と信仰心、これを持っていることだと強く感じています。私がこれまで歩んできた人生については、ちょうど李登輝基金會が制作したドキュメンタリーが完成したばかりですので、多くの皆さんにご覧いただきたいと考えています。今後とも幸福実現党が益々発展され、人々の救済に寄与されることを心よりお祈り申し上げて私のご挨拶といたします。

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