武装集団「イスラム国」による「奴隷制の復活」という記事

一説では、すでに5,000人もの女性が連行されている

「イスラム国」が英語で出しているプロパガンダ誌(電子広報誌「ダービック」)のなかに、「奴隷制の復活」という見出しで、子供や女性を性奴隷にすることを正当化する記事があります。主として被害にあっているのが、ヤズィード教というクルド系の民族宗教を信仰している女性たちです。一説によると、既に5,000人ほどの女性が連行されているといいます。

なぜ、性奴隷などが正当化できるのか

コーランの9章5節「剣の節」に「神聖月(ラマダンなど)があけたなら、多神教徒は見つけ次第殺してしまうがよい」という記述があります。「イスラム国」の論理はそこからさらに踏み込んだものになっていて、「不信心者の家族に女性などがいたならば第一夫人以外の妻として連れてくることができる」ということがイスラム法のなかで言われているのだと主張し、性奴隷の正当化を宣言しているのです。

イスラム圏全体としてはどのような見解をもっているのか

一般的なイスラム教徒にとって「イスラム国」の考えは許しがたい

一般的なイスラム教徒は、武装集団「イスラム国」の考えを拒絶しています。本来のイスラム教の教えを曲解し、大きく逸脱してしまったものだと捉え、それを許しがたいことだと考えているのです。ただ、このようなことが起きることについては、やはりイスラム教のなかに「そう捉えられても仕方ない」面があるとは言えるでしょう。たとえばイスラムのなかでは、女性が強姦されてしまった場合、女性のほうが有罪になるといったこともあります。イスラム教の抱える”矛盾”が女性の人権侵害につながっている点は否めません。

女性の西洋化によってイスラム社会崩壊が起こることを危険視

どうしてこれほどまでに女性の自由が抑圧されているのでしょう。大きな理由の一つとして挙げられるのが、イスラムの男性は「イスラムの女性が西洋化すること」に対して恐怖心があるということです。女性が西洋化して自由になることでイスラム社会が崩壊する危険性を感じているのです。原理主義者はもちろん、イスラム世界にもそうした懸念は根強く、20世紀に入ってトルコやイランなどで革命がおこるような「イスラム回帰」の原点にあるのだと城取氏は話します。

日本女性像「なでしこモデル」が中東の希望になりうる

城取氏は「日本の女性像が中東の女性たちに希望を与えるのではないか」と、自身の希望を語ります。

ドバイ政府に勤める女性が語った、日本女性像への強い共感

同氏が知り合ったドバイ政府に勤める女性が「アラブの女性は日本の女性に非常に共感が持てる」と話していたといいます。日本の女性は欧米の女性と違って物静かでありながら芯があり、賢さと慎み深さを兼ね備えていて素晴らしいと絶賛していたとのことです。

日本の「おしん」が中東で大ヒットしている

30年前にヒットした日本のドラマ「おしん」は中東で広く人気を集めていて、イランなどでは視聴率が90%を超え、最近でもリバイバルされているといいます。おしんのけなげな姿が中東の世界で男女問わず人気を呼んでいるのです。

自由のなかにも慎みのある日本女性像なら、イスラム男性も納得か

欧米的なキャリアウーマンとは一線を画し、かつ、イスラム圏のような不自由さのない女性像――日本型の「なでしこモデル」のようなものが広がることで、イスラムの男性も納得して、徐々にイスラムの女性たちを解放していく力になる可能性があるのではないでしょうか。自由のなかにも慎みがある「なでしこモデル」が、これからの中東を引っ張ると信じたい、と城取氏は希望を語りました。