※この記事は、2016年9月に公開した番組の再掲載版をテキスト化したものです。

沖縄県石垣市にある尖閣諸島。2016年8月に入って、尖閣諸島周辺の日本の領海や接続水域に、中国の公船・漁船が、また大量に侵入をし始めた。これに対して海上保安庁も巡視船を増強するなど、警戒を強めている。尖閣諸島周辺の緊張が日増しに高まる中、日本政府は中国に対して抗議すると同時に、ミサイル防衛の構想の発表などは行っているが、今のところ有効な手は打てていない。
いま尖閣諸島周辺で何が起きているのか、また私たちには何が出来るのか、何をしなければならないのか。我々はこの危機的な状況を取材すべく、石垣島へ飛び、関係者に取材を行った。

車窓から

(石垣空港から車で約30分のところにある漁港へ向かう)

里村さんOP

(石垣島の海上保安本部前からレポートする里村英一メインキャスター)

※尖閣諸島への領海侵犯の最新状況(2020年5月現在)はこちらの記事をご覧ください
もし尖閣諸島が中国に実効支配されたら【侵略シミュレーション】

尖閣シミュレーションCG(大)

領海侵犯を受ける石垣島の漁師を緊急取材

私たちはまず、石垣島の漁師の方に中国公船の領海侵犯の影響について話を聞いた。

八重山漁港

漁港の漁師たち

座波幸次さん(石垣島の漁師)
「今まではないけど、今はもう実際ヤバいかもしれない。台湾越して、こっち側の南に来たりとかしたら、目も当てられない」

座波船長

具志堅用治さん(石垣島の漁師)
「いつぶつけられるかわからんし、怖い。大きさがまるで違うでしょ。本当に漁師だけかと言ったら疑問がある。中には得体のしれない者が混ざってるかもしれない。そういうのが訓練して、国から援助していくように仕向けているとか、そういった話もあります。そんなのが来たらたまったもんじゃありませんね」

具志堅船長

尖閣問題を報じる数少ない地元メディア「八重山日報」の編集長にインタビュー

次に我々は、尖閣諸島の問題を長年取材している、八重山日報の中新城誠編集長に話を聞いた。

八重山日報

中新城編集長2s

里村:「石垣の皆さんの危機感は以前よりも高まっていますか?」

中新城編集長:「最近の中国の尖閣周辺での振る舞いってのを見てると、これはもう完全に乗っ取りに来ている。相手方の都合とかは全くお構いなしで、船そのものは台風とか、悪天候の時以外は連日接続水域のところに現れているという状況で、地元の漁師でも自分から向こうに漁に行こうという人はいないですね。危険な場所になっていますから」

中新城編集長1s

中山義隆石垣市長へインタビュー

我々は尖閣諸島がある石垣市役所を訪問し、中山義隆市長にも話を聞いた。

石垣市役所

中山市長2s

里村:「市長就任になられる前から、国境を守るという位置にあるこの石垣市で、中山市長は尖閣問題等に関して関心が強かったと聞いているんですが、この数年間で中国側の動きとか変わってきましたでしょうか?」

中山市長:「明らかに変わってきていますね。特に2012年9月の尖閣諸島国有化以降、強硬な態度をまた発言が目立ちますので、南沙諸島で行われている状況が今後、尖閣に同じような状況を目指しているんじゃないかと思います」

中山市長1s

※中国が行っている南沙諸島上の軍事基地建設に関する詳細はこちらの記事をご覧ください
もし尖閣諸島が中国に実効支配されたら【侵略シミュレーション】

尖閣シミュレーションCG(大)

中国が尖閣諸島に関して新法を制定

産経新聞によると中国は尖閣諸島に関する新たな規定を定めたという。この規定は、中国が尖閣での法執行することを明文化したもので、中国が主張する「管轄海域」での違法漁労や領海侵入をした場合には刑事責任を追及できるとする法律である。この規定により、中国当局に日本の漁船が不法侵入と称して拘束される可能性も出てきた。

拿捕される可能性

中新城編集長:「(日本の漁船が拘束される可能性は)もう充分危険性としては、有り得る話かと思っています。中国の公船と日本の巡視船は対等くらいの勢力であるけれども、いずれ中国の方が公船を大量に投入してきて力関係で圧倒するような状況になると、日本の漁船が下手に出ていった場合は、拿捕される危険性は無きにしも非ずで、既に3年くらい前(2013年ころ)から日本の漁船が出ていくとボートを下ろすようなしぐさをしたりして威嚇するような行為っていうのは当時から既にみられています」

中山市長:「接続水域で公船が中国漁船に対して何らかの臨検のような形でしているという状況、これは国際的に見ても許されることではないんですけども、なかなか八重山の石垣の漁民の皆さんは尖閣諸島周辺に漁に行けない状況なんですけど、仮に漁に行っているときに中国の公船に接触されてそれで調査立ち入りとかされるようなことになれば、まさしく日本の領海に土足で踏み込んできた状況になりますんで、そのような状況になった場合に国際社会の中では、あそこはもう中国の領海なんじゃないかという話になりかねないので、そういうことにならないように、しっかりと政府が対応してほしいと思います」

中山市長1s 土足で踏み込んだ

石垣島への自衛隊配備を求める決議が可決

そのような状況の中、9月16日石垣市議会で自衛隊配備を求める決議が可決された。

可決

里村:「編集長は自衛隊の配備が必要であるとお考えですか?」

中新城編集長:「沖縄本島には米軍もいるし、自衛隊ももちろんいるんですけど、宮古・八重山には自衛隊の実戦部隊がいないんです。そういう一番抵抗を受けそうにないところから先に中国が出てきている状況も見受けられるので、逆に中国の攻撃的な行動というのは空白地帯だからこそ誘発されているのではと思える節もあるわけですよ。だからこれを今のまま空白地帯のままに置いておくと、さらに挑発行為が激化する恐れがあるわけだから、まずどこかで最後には自衛隊が出てくるというプレゼンスがないと中国の行動はとめどなく広がっていく恐れがあると思うので、そういう意味で自衛隊の配備が必要かなと思います」

中山市長:「今回議会の議決ということで、私は今石垣島の自衛隊配備にはまだ賛否は表明しておりませんが、議会の議決というのは非常に重いと思っています。議員の皆様方が判断して、配備に向けての推進ということでありますので、今後市民の皆さんと意見交換をしながら、出来れば年度内に判断をしたいと思っています」

※2016年12月末に中山市長は自衛隊の「受け入れ」を表明。2020年7月現在、用地取得がほぼ終了し、用地の造成が行われています。

尖閣諸島の危機を全く報じない沖縄の大手メディア

沖縄のマスコミはこの尖閣諸島で起きている危機を殆ど報道していないという。

中新城編集長:「これは嘘のようで本当の話なんですけど、沖縄のマスコミほど尖閣に無関心な新聞はないですよ。この前の二百数十隻の漁船が襲来してきたという話にしても、沖縄の新聞はそれを独自取材を一度もしていないです。共同通信の配信記事を小さく載せているだけで、基地問題に関しては取材班をつくって反対運動の抗議運動の現場に派遣して何十人態勢でやるほどの新聞社が、こと尖閣に関しては一人の記者も動かしていないんです」

中新城編集長1s 沖縄のマスコミほど

石垣島の取材を終えて

里村さんEND

里村:
「今回、尖閣諸島を抱える沖縄県石垣市を緊急取材して、石垣市の中山市長をはじめ報道関係者・漁業関係者、いろんな方に話を聞きました。やはり衝撃的だったのは、この関係者の皆さんの危機感の強さということです。いま日本は力を尽くして、中国に対してそして世界に対して、この中国の横暴を訴えねばなりません。そのためには軍備などのハードはもちろんのこと、経済力あるいはいま世界から尊敬を集め続けている日本の文化力、そうしたソフトパワーも総動員して中国の野望を止めなければならないときに来ています。この尖閣の実態を日本の一地方、一地域の問題と捉えるならば日本に未来はないとこれだけは断言できます」

こちらもご覧ください!

中国船の侵略から尖閣諸島を守れ!渦中の中山義隆石垣市長に直撃インタビュー!【ザ・ファクト】
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中国が尖閣諸島を日本の領土だと認めた証拠が石垣島にあった!【THE FACT FASTBREAK#48】
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